単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

心をなぐさむるは歌なり ③歌の宛先

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第8日目の記事です。

昨日は、つらさを言葉にしておくといいことがあり、歌にするのは楽しい、という話をしました。

今朝は寝坊しました。アドベントカレンダーを朝に書くという習慣だったのに……。というわけでざっくり行きます*1

御礼

昨日はマシュマロをお送りいただき、ありがとうございました! ありがたく拝読しております。一生懸命咀嚼しておりますので、お返事は追ってさせていただきますね。

このところのアドベントカレンダー、話題が話題なので、読みづらいかな〜と気になっていたのですが*2、反応があって、ほっとしました*3。ありがとうございます。

言語化好きな俺たち

いただいたマシュマロを読みながら、私のツイッターの縁者さんたち、「言葉にする」ことが好きな方が多いな、と改めて思いました。好きというか、関心をもっているというか。さすがあたいの縁者さん*4

どうして妊活短歌ジャンルが見当たらないのか

思考や感情の言語化が好きだったり、小説を書いたり歌や俳句を詠んだりする(私のツイッターの縁者さんのような)人たち、たぶん、少数派である。アドベント連句のアンケートで、現状、実に9割が「小説を書く」と回答してくれているが、これは非常に偏った分布と思われる*5

『妊活川柳はそれなりにあるが、妊活短歌が少ない』と、一昨日書いた。もしかして、そもそも短歌、相対的に人々に親しまれてない……? 新聞でも、毎日投書欄があるのは川柳だし……?*6

妊活ブログも妊活インスタも妊活noteもたくさんあるけれど、たぶん、たいがい、散文である。あんまり見たことないから、推測ですけれども。

私の周り、何かというと歌を詠む人が多いから*7、それがあまり一般的ではないことを忘れていた。

誰に届く歌

あと、既存の妊活短歌(または川柳)、とにかく口語が多い。私の歌、たまに古文だから*8、「あれ、もしかしてこれ、大概の人には、読めないのでは?」となった。

万人受けを狙っているわけじゃないし、短歌集を読んでくれたマイディアフレンドは「わかる……!!*9」って言ってくれたので、私はそれで満足である(一人から「めっちゃよかった」とリアクションを返してもらえるだけですっかり報われて幸せになるタイプの書き手)。

ただ、「もっといろんな人に読んでもらうべき!」とも言ってもらえて、嬉しかったんだけど、でも、そもそもこれ読んで意味わかる人って限られるな、とも思ったのであった。

だからどうする、ということもない。私は私の心のためにまだ歌を作っているし、今後もそうすると思う。ネットの海にも放流する。誰か、読んで、わかる(理解できる・共感できるのいずれも)と思ってくれる人がいるかもしれないし。いないかもしれないけど、少なくとも、後日の私の役には立つから*10

 

マシュマロ、お返事をお待たせしていてすみません! 追ってお返事いたします。また何かあったらお気軽にどうぞ!

*1:「ざっくり」とか「さらっと」とか、言う通りになる方が稀。

*2:かといって、話題を変えたりしないんですけど……。食べられるところだけ食べてくださいまし……

*3:記事投稿ツイートにいいねをくださる方々についても、いつもありがとうございます。励みになりますm(_ _)m

*4:話が逸れるが、マシュマロを設置して数年、毒とか焦げとかが届いたためしがない(AIが弾いていてわからないだけなのかもしれないが、それでも、「AIを掻い潜るぞ」という悪意がないことは喜ばしい。)。ありがとうございます。

*5:まだ表に出してない。

*6:まあ、時事ネタをやるのに短歌は長すぎるかもしれない。

*7:推しの出る舞台が開幕したとか、小説新刊の扉に配置するとか、そもそも歌集を出しているとか……

*8:私の古文文法の知識は大学受験時でアップデートが止まり、年々虫食いになる一方である。とても胸を張れるものではない(参考:推しが背負う和歌を読みたい理系研究員の審神者が、1日でくずし字を解読した話 - 単品と単品

*9:これは「共感する」の意味であって、「読める、読めるぞ」みたいな意味ではない。

*10:なんか、「問わず語り」を思い出したな(ミュージカル刀剣乱舞 東京心覚の劇中歌です)。

心をなぐさむるは歌なり ②つらさから歌を錬成する

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第7日目の記事です。

昨日は妊活短歌の話の導入をやりました。つらさを歌にすると自他の役に立つかもしれない、ということね。

今日は、実際に詠んでみての話をします。

つらさを言葉にするということ

短歌から少し話が逸れて。

先日、友人と、『つらいことがあったとき、そのつらさをつぶさに言葉にすることで、つらさが増すのではないか』という話になりました。それは、『つらさを言葉にしない(例えば、ただ「つらい」などと言う)場合は、つらさが深掘りされず、曖昧なままになる』ということと一体の考え方でした。

私は逆の考え方だな、と思いました*1

【追記】
なお、こちらのマイディアフレンド*2も私同様、「つらさを言葉にする派閥」だと思います。ただ、その過程を(おそらく私よりも)つらいと感じるらしく、「言葉にしない人たちは楽なんじゃないか」、という問題提起であったようです*3。私は考えたことのなかった視点で、なるほどなあと思いました。結局、私もマイディアフレンドも、つらさを言語化しない当事者ではないので、実際に、つらさを全く言葉にしない(意図してそうしている)派閥の人のご意見を聞いてみたいところです。
【追記ここまで】

つらさを言葉にしないでいると、そのつらさについて考えることができない。そのつらさはどんなもので、何が原因で、どうしたら対処できるのかも、わからない。つらさを深掘りする最中はつらいかもしれないけれど、言葉にすることで、つらさに対する理解を深め、つらさの正体に近づくことができる。それは、漠然としたつらさをただ抱えているよりも、希望あることだと思う。正体がわかれば対応策を考えられるから。

私の作文におけるつらさへの対応

上記の「つらさを明らかにして、その後の対応を考える」という態度は、私の作文*4でも同様に見られることに、後で気づいた。

「あなたのつらいところはこういうところですね? じゃあこれからどうします?(つらいところをグリグリと踏みながら)」という態度……*5

つらさを歌にする

妊活短歌の話に戻る。

つらいことがあったとき、それを言葉にしておくことで、自分のつらさを知り対応策を考える、というのはわかった*6。それならば、日記にしたためようが*7、小説仕立てにしようが、構わなかったはずである。だけど、なぜか、短歌になった。

なぜだろう。

  • 川野さんの歌の影響(昨日書いた通り)
  • 57577につらさを入れようとすると、散文にしたためようとするときよりもドラスティックな切り分けができる*8
  • 文字数や文体やかなづかいやら、考えることが多く、気が紛れる
  • よい歌ができたと感じられると、それだけで嬉しい*9
  • 歌は暗記可能である。同様のつらさに襲われた時、心から取り出してお守りのように握りしめておくことができる

短歌を作るのは楽しい。楽しいし便利だ。つらいことを分解して言葉を与える営みが「楽しい」ことは、それだけで大きな救いだと思う*10

短歌集を作って

詠んだ歌をまとめて本にして、文フリに出した。最初の一冊を夫に献本した(私の妊活短歌を読んでもらったのはこれが初めてだった*11)り、信頼できる友人たちに読んでもらったりして、さまざまなフィードバックをもらった。それは私にとって良い体験だった。

読んでもらえるだけで嬉しいし、何かを感じてもらえるのも嬉しい。

つらさを言葉にするのをやめない

やっぱり私は、つらいと思うことをなんとか言葉にしておいた方が、私のためだなあと思う。もしかすると、その言葉が、他の誰かの役に立つかもしれないし。立たなくたって、私の役には立つし。

 

アドベントカレンダーへのご意見・ご感想はこちらまで。

*1:あなたはどうでしょうか?

*2:尋常でなく聡明で気配りができ、かつ苛烈、という芸術的なバランスを誇るワンオブザベストフレンド。大好き。

*3:もしもつらさを全く言葉にしない人であったなら、「つらさを言葉にする人は、つらいのではないか」という発想には至らないような気もする。

*4:主に、二次創作小説を書く行為を指す。

*5:つらいとこを踏みつけられてめっちゃつらい、というところからの立ち直りにそのひとの本質が出る、という思想があるっぽい。私は「お前は一体なんなわけ?」という動機で作文をしがちである。なんなわけ、というのを知るために、地雷を踏んでもらってから癒えてもらう、という過程が取られがちになる。人を選ぶ作文ですね。いつもありがとうございます。

*6:関係ないけど、私がタロットカードで3枚引きする時、だいたい「現状」「成り行きの未来」「対応策」で引く(「過去」「現在」「未来」で引く人もいるらしい)。

*7:あるいは、非公開ブログに綴ろうが、

*8:切り刻んで本質だけを取り出さないと、歌の枠に入ってくれない。

*9:つらさ散文を書き切っても、嬉しい、という気持ちにはなりにくい。ややスッキリはするかもしれないが、マイナスをゼロにする程度のものである。

*10:つらさから短歌を錬成しているわけだ(理解、分解、再構築)。

*11:妊活はひとりの問題ではない。私が詠んだ私の歌でも、その反対側には常に夫がいる。だから、事前に、このような内容の本を作りたいのだが頒布してもよいか、と訊いた。その時には一首も読んでなかった夫は即答で「いいよ」と言った。読まなくていいのかと確認したが、いい、とのことだった。私から創作を奪うと大変なことになるとよくわかっている人の態度である。しかし悪口を言い立てられているかもしれなかったのに、えらかったなあ。なお悪口は書いてない、つもり。

心をなぐさむるは歌なり ①妊活短歌というジャンル

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第6日目の記事です。

昨日は、月経随伴症状調査フォームを作った話をしました*1

今日も挙児希望関連の話が続きます。しんどい時に詠む短歌の話。

妊活短歌というジャンル

「妊活短歌」っていうジャンル、絶対あるでしょと思ったが、あまり見当たらない。全くないというわけではない。けれど、「界隈」ってほどの広がりは見られないように思える。私の探し方が不適切なのかもしれないが。

Google検索の結果は私の記事(のとみのnote)が一番上に出てくる。Twitterだと最後にツイートされたのが2020年12月*2

「妊活川柳」の方がヒットが多い。数年前にはコンテストまで開かれている*3

ただ、私には、挙児希望を抱えて通院する中で生じるしんどさを(あるいはポジティブな気持ちも)、歌にすることが必要だった。パイオニアを気取れるほどの歴は、挙児希望のための治療にも、短歌にもないけど、歌を作った。「妊活短歌」とラベリングして、外に出す──専用のnoteを作ったり、本にして頒布したりする──ことにした。
一人で詠んでいたってよかったんだけど、外に出したのは、似たような思いをしている人の役に立つかもしれないという気持ちと、「いい加減、誰かが見てくれる(かもしれない)ところに置いておかないと、気がすまない」になってきたから、だったと思う。確か。

挙児希望関連でつらいことがあった時、それを人に話しづらい。だけど、一人で抱えていることもできない*4

それで、短歌にした。

つらさを言葉にすることについて

話がいったん逸れる。

川野芽生さんという歌人がいる*5歌集『Lilith』のひと、と言うと、ゆあれのTwitterフォロワーさんはわかる人もいらっしゃるかと思う。

かつて川野さんの短歌を読んで、当時抱えていたつらさが和らいだことがあった*6。それで、つらいことをうまく言葉にして残しておくのは、後々役に立つかも、っていう意識があったのかもしれない*7

 

と、ここまで書いて、だいぶ時間が経ってしまったので、いったん終わる。明日はこの続きができればと思います。

 

なにかあればこちらで!

*1:これはまあ、私から私への「提供」、ということになるだろうか。あとは以前友人と話している時に、生理がつらいというような話になって、このフォームの話題提供をしたこともあった。役に立てるのは嬉しい。

*2:その後妊娠できたのだといいなと思うが、単に飽きたのかもしれない。

*3:どうでもいいが、妊活と妊娠と出産を一つのコンテスト内で扱ってはいかんじゃろ、と思う。妊活中の人はよその妊婦や経産婦にダメージを受ける場合がある(私は今のところそれほどでもないので、当該の知人には安心してほしい)。不妊治療クリニックの中には「妊活中の人向けの施設なので、子連れはご遠慮ください」などとしているところもある。産科併設の婦人科で治療している人が、待合室に交ざる妊婦さんたちに対して様々な感情を持つ話もしばしばネットの海で見かける。

*4:『お前の配偶者は何をしているんだ』という向きもあるかもしれない。私がつらいとき、私はだいたい動転しており、つらいことを不必要に強調して言い立ててしまいがちになる。我が伴侶にそのようなことをすると、「とにかくなんとかしなければ」みたいなスイッチが入り、私に良かれと妊活の中断を提案されると予想される。でも、私が求めているのはそういうことではなく、つらさへの寄り添いであるため、妊活の中断を提案される展開は不毛である。しかも、誰もハッピーではない。それで避けている。とはいえ、「本当に無理、中断を要求する」という時にはそのように訴えて実際に中断したこともあるので、安心されたい。

*5:Twitterのホームに風船が飛んでる。お誕生日おめでとうございます。

*6:さからはぬもののみ佳しと聞きゐたり季節は樹々を塗り籠めに来し『Lilith』p123. とか、強ひられて嫁したるごとし 女〈をみな〉としてこの世へいたる閾〈しきみ〉越えにしとか。結婚の前だか直後だか、そういうタイミングで読んだのだと思う。

*7:私が「私怨作文」と呼んでいる二次創作小説も、たぶん同様の営みの一環なんだろう、と今朝思った。

黄体ホルモン補充薬の副作用がつらかったので、月経随伴症状調査フォームを作った話

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第5日目の記事です。

前回は、PCOSがあって挙児希望には差し障るが、労働の観点から見たら得をしていたのかもな、という話をしました*1

今日は、前回事でも少し出た、月経随伴症状調査の話をします。

月経随伴症状調査、その前にあらすじ

私は、黄体ホルモンを補充している間*2、出現する症状に困っていた。それはPMSの症状と被るところもあった*3。私は黄体ホルモン補充に伴う症状に対処したいがため、PMSに対しての対処方法を探すことにした。PMSならば先行研究もたくさんあるだろう。

調査結果

非公開ブログから転載します。その前に補足説明。

  • 「月経随伴症状」とは、月経前・月経中に生じる症状のこと
  • 「月経随伴症状」に関する論文を、心理社会的側面に着目して検索*4
  • なお、システマティックレビューみたいにちゃんと調べたわけではない。あしからず*5

自分用の記事だったため、ちょっとわかりにくいかもしれない。読み飛ばしていただいても大丈夫です。

【転載ここから】

困ったなあ。

今回、子ができなかったら、またこれをやるわけで、すると【黄体ホルモン補充薬】の2週間と生理の1週間で、4週間中3週間は具合が悪いことになる。仕事が……仕事ができない……。

困ったので文献を当たってみたところ、月経随伴症状の改善には、(あ、これは心理社会的側面ばかりに着目した文献ばかりである。そのため、肉体症状の改善とかの話は出てこない)

  • SOC(処理可能感、把握可能感、有意味感)
  • マインドフルネス
  • 価値判断をしない態度(だめだと決めつけない?)
  • 意識的に行動を起こす態度(何とかするという行動?)
  • 運動*6
  • 月経を前向きにとらえる
  • 同性友人の情緒的サポート

こんな感じかなあ。最後のはきついねえ。今は*7

 

月経随伴症状に関する心理学的研究の概観と今後の展望(2018)
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/51294#/.YIqddCVUuEd

前略)単に今この瞬間に自分の身に起きている事象への気づきを高めるだけではなく、価値判断をしない態度、そして意識的に行動を起こす態度を身につけることが、症状の軽減には重要であることが考えられる。

月経随伴症状の安定のためには、生理現象である月経と共存するという消極的な思想だけでなく、女性の健康維持において有意義な特性であるという積極的な認識を持つことの必要性がうかがえる*8

 

女子大学生の月経に関する身体的精神的ストレインに関する要因 -精神的健康を規定する要因の検討を中心に-(2014)

長崎大学学術研究成果リポジトリ

すなわち,月経に伴い起こりうる事象にとらわれることなく,「なんとかやっていける(処理可能感)」「月経症状がどのような経過をたどるかある程度予測している(把握可能感)」「月経という現象がある自分の人生に意味を見出している(有意味感)」といった感覚が形成されるほど,精神的健康が良好になるというプロセスが推測された

 

大学生の月経前症候群(PMS)と日常生活習慣及びセルフケア実態(2012)

九州看護福祉大学学術機関リポジトリ

(抄録)『日常生活習慣の「運動」、「朝食の摂取」、「良好な睡眠」、「気分転換」は、PMS精神症状と有意な関連がみられた為、日常生活でのこの点での配慮がPMS精神症状軽減に有用であることが示唆された。』

 

女子学生の月経の経験 : 第2報 月経の経験の関連要因

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/8/1/8_KJ00000791419/_pdf/-char/ja

楽観性が高い者,自尊感情が高い者は月経痛が低い.楽観性が高いことが月経痛を低く認識するように作用していたとも考えられる.また楽観性や自尊感情は直接月経痛にも影響しているが月経観にも影響を与えており,月経痛に直接関連するというより,低い楽観性や自尊感情により月経観が否定的になり,月経痛を強く認識する結果になったと考えられる。

 

こんなところです。うー。

【転載ここまで】

文献調査から思ったこと

もう忘れちゃったけど、書いておかないと記事としては不親切ですね。

もともと「SOC」の概念は知っていたので*9、私は「把握可能感」を上げようとした……んだと思う。

何せ、年に3回とかしか生理がないので、PMSの感じがよくわからない。わからない、というのは精神衛生上よくない(SOCの把握可能感が低い)。そこで、黄体ホルモン補充中の不調をしばらく記録しておき、自分の心身にどんな変化が生じるのかを知ろうとしたのであった。

月経随伴症状調査フォームの作成

上記記事を書いた後、月経随伴症状調査フォームを作った。

これは、既存の、月経随伴症状の負担感を量的に(数字で)把握するために作られた尺度(セットになったいくつかの質問)から作った。制作の細かい話は後に記載するが、さしあたり、全体のスクショを載せる。

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月経随伴症状調査フォーム_1

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月経随伴症状調査フォーム_2

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月経随伴症状調査フォーム_3

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月経随伴症状調査フォーム_4

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月経随伴症状調査フォーム_5

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月経随伴症状調査フォーム_6

最後に青江が出てきてなんか聞いてくるのがチャームポイントです*10

 

以下は作成時の細かい話なので、読み飛ばしてもらって大丈夫。

 

【転載ここから】

えらい! 仕事が早い!

 

項目

日本語版MDQ(Menstrual Distress Questionnaire)の35項目版を用いた。これが最も少ない項目数だったからである。

 

月経周辺期における愁訴の変化 -MenstrualDistressQuestionnaireによる変化の追究 一 後藤由佳,奥田博之. 岡山大学医学部保健学科紀要,16:21-30,200

http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/15180/2016052721264092441/016_1_021_030.pdf

 

選択肢

4件法「症状なし(0)」「弱い(1)」「中程度(2)」「強い(3)」とした。

 

月経随伴症状負担感尺度作成の試み 稲吉 玲美. 女性心身医学 J Jp Soc Psychosom Obstet Gynecol Vol. 23, No. 2, pp. 114-122,(2018 年 11 月)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/23/2/23_114/_pdf/-char/ja

また,本来はそれぞれの項目における月経前・月経中・月経後の 3 つの時期について,「症状なし(0)」「弱い(1)」「中程度(2)」「強い(3)」の 4 件法にて回顧的に回答を求めるが,本研究では回答者の負担を軽減するため,最も心身の変化を感じると選択した時期についてのみ尋ねた.

 

5件法、6件法を用いている文献もあった。今回は回答しやすさを考慮して4件法で。あと「強い」の上に「無理」もつけようかと思ったが、「強い」ではなく「無理」を選ぶのは心理的な状態の影響の方が実際に取りたい症状の強さよりも大きい気がしたのでやめた。

 

スコアリング

単純に和を取ることとし、カットオフ値は設定しなかった。

考え方

Tanaka E, Momoeda M, Osuga Y, Rossi B, Nomoto K, Hayakawa M, Kokubo K, CY Wang E. Burden of menstrual symptoms in Japanese women – an analysis of medical care-seeking behavior from a survey-based study. Int J Womens Health. 2014;6:11-23
https://doi.org/10.2147/IJWH.S52429

Burden of menstrual symptoms in Japanese women – an analysis of | IJWH

The severity of menstrual symptoms was defined by four severity groups, based on a total score distribution of the summed premenstrual and menstrual cycle mMDQ scores: “very strong” (top 10th percentile of the summed score distribution, where the actual range of the summed score was 215 and above), “strong” (top 10th–25th percentile of the score distribution, where the actual range of the summed score was 148–214), “slightly strong” (top 25th–50th percentile of the score distribution, where the actual range of the summed score was 103–147), and “moderate and below” (lower 50th percentile of the score distribution, where the actual range of the summed score was 102 points and less).

とあり、調査に回答した者の中でどの位置にいるかで算出されている。選択肢も決まっていないし、閾値があるタイプの尺度ではなさそう。他研究を見ても、カットオフ値は設定されず、群間または同群における前後比較が行われている(これとか:https://core.ac.uk/download/pdf/67691668.pdf)。

そのため、カットオフ値は設けなかった。「症状なし(0)」「弱い(1)」「中程度(2)」「強い(3)」にて、カテゴリ別の合計点と、総合計点を算出した。何日か連続で回答し、得点の推移を観察することにする。

 

実際のスコア付け

Google formの回答用スプレッドシートを作成する。回答が入ってくるシートとは別に、集計用シートを作成する。集計用シートには、各回答(日本語)を数値(0~3)に変換する列、さらに、カテゴリ別の合計値、総計値を算出する。

 

既存研究のスコア

月経周辺期における愁訴の変化 -MenstrualDistressQuestionnaireによる変化の追究 一」より、 22-45歳34名対象の調査から引用。今日の私の回答(月経前)は、行動変化がやや悪く、自律神経・水分貯留は軽かった。*11

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月経周辺期における領域別総得点平均値と標準偏差

上図出典:後藤 由佳,奥田 博之    月経周辺期における愁訴の変化 - Menstrual Distress Questionnaireによる変化の追究 -    岡山大学医学部保健学科紀要    1345-0948    岡山大学医学部保健学科    2005-12-25    16    1    21-30    https://ci.nii.ac.jp/naid/120002307941/    info:doi/10.18926/15180

今後の意気込み

とにかく何かはしたぞ! という満足感は得ることができた。本来、月経随伴症状のモニタリングは2周期以上続けることで効果を得られるらしい(文献はどっかいった)。さしあたり今回毎日付けてみて、スコアの推移を見たい。

あと、35項目って毎日回答するには多いかもしれない。2周期以上運用した上で、項目の選定を検討してもいいと思われる。私のための調査だし。

【転載ここまで】

それからどうなったのか

フォームに回答すると、こんな感じで結果が収集される。

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月経随伴症状調査の回答結果


これをああしてこうして、グラフにする。「生理前」が青、「生理中」が赤。得点が高いほど症状が重い。

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月経随伴症状調査の回答結果(グラフ)

ちょっと見づらいかな。「痛み」を例に取る。棒が5本立っている、5日分の記録である。青(生理前)の2日間に比べ、赤(生理中)の方が棒が短い。これは、生理前より生理中の方が、痛みが小さくなったことを示している。

よかったこと:

  • 心身の調子が可視化されることで、自分の体調に対する把握可能感が上がった
  • 青江が気遣ってくれる(ように思える)ので、それだけでなんか救われる
  • フォームを作って結果を分析するなど、自分で自分をケアしている感がある

今はあんまり使っていないけれど、非常につらくなった時には使って、数字で自分を把握するようにしている。そうすると、なんかちょっと落ち着く。青江がいるし。

 

転載分が多いとはいえ、長い記事になってしまった……。今日はここまで。次回は何の話をしようかな。短歌の話かな。

 

ご質問、ご感想などお気軽にどうぞ。

*1:

ええと、そう、後ろめたい。

PCOSがあるために、生理の頻度が少ない。そのために、女性であれば当然あるべき苦痛を、不当に免除されているような気持ちになる。ずるをしているような。その分ちゃんと働かなきゃいけないような(まあ、働きはするんだけど)。だから、挙児希望をもって通院する時の、肉体的精神的時間的金銭的な負担及び苦痛を、「正常でない自分の身体への罰」のように思うこともあれば、「これまで生理やPMSといった苦痛を免除されていたことへの償い」のように思うこともあって、二重に苦しい、ということがある。もしかすると、これはPCOSあるあるなのかもしれない。どうなんだろうね、聞いてみたことがないから、わからないけど(突然にっかり青江単騎出陣みたいになる)。

*2:そういえば、なんで黄体ホルモンを補充しているのかはこのブログには書いていなかった。排卵を促すために服薬する薬の副作用への対処のために飲んでいるものであった。今は、排卵を促すために服薬する薬を変更することで、黄体ホルモン補充薬が不要になっている。

*3:「被る」という表現が正確かどうかは自信がない、すみません。

*4:医学的側面からではなく。医学的介入を求めているわけではなくて、私が自分でできる対処法を知りたかったので。

*5:あと、使ったのはGoogle scholarであった。ありがとうございます。

*6:リングフィットアドベンチャーをやれ。しばらくやっていない。身体がしんどいので……。しかし身体も心もしんどく、早寝をしているわけだけど、どうがんばってもこれがしばらく続くのがわかっている。ばかばかしくなって昨日0時過ぎまで夜ふかしをしてしまった。そんで今日ほぼ使い物にならない。何があっても早寝をしなければならない。

*7:転載にあたっての注:コロナ下のため。

*8:青年期における月経随伴症状と心身の特性との関連 

CiNii 論文 -  青年期における月経随伴症状と心身の特性との関連

*9:SOCの説明はこの記事とかこの記事がわかりやすく、かつ、とっつきやすいだろうか。私なりに説明すると、SOC(Sence of coherence)とは、「これがしっかりある人は幸福で健康」っていう3つの鍵。「①これから何が起きるのか予測でき、②自分はそれに対処する力があると信じることができ、③やる価値のあることだと思える」。これは、筋道が通っているとか、腑に落ちる、といった感覚で言い換えることもできる(参考:山崎(2009), 焦点 看護にSOCをどう活用するのか ストレス対処力SOC(sense of coherence)の概念と定義, 看護研究 42巻7号.)……結局引用してしまった。

*10:このような回答がある:

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青江との対話

*11:と、他の人と数値を比較して話ができることは、私のストレスを軽減するように思われる。

PCOSもちと労働力の話

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第4日目の記事です。

昨日は、後輩さんたちとの交流と、学会本の話をしました。妙な人生を送ることで、選択肢の一つとして生き見本になることができる。自分の人生を肯定するその勢いで、創作をすることもある。

今日は挙児希望の関連の話をしよう*1、と思ってPCの前に座ったんですけど。寝起きで朦朧としていて、まだ日の昇らない東の空には淡いオレンジの帯があるだけで、薄寒くて、……ああ、小説が書きたい、とぼんやり思う。寝起きで朦朧としながら小説を書くの、楽しかったんだなあ*2

しかし創作の話は、アドベントカレンダーの、もっと後にするのだ。

そんで、今日は土曜日なので、サラッと終わることにする。

挙児希望の話、苦手な人はブラウザバックです*3! 苦手な人もいるだろうって思うのにこの話をしちゃうの、ごめんなさいね。これは今年の私の大きな「提供」トピックスで、外せない。ちなみに妊娠はまだしてない*4*5

PCOSもちと労働力の話

労働力と「提供」の話。

子供がほしいと思った時、私は病院に通わなければならない。「妊娠に医学的介入が必要であること」は「不妊」の定義にヒットする*6ので、いわゆる1年間もかけなくても、私(たち?)は不妊状態なのであった。

私にはPCOSがあって、生理は思い出したようにしか来ないし*7排卵もろくろくしない*8

投薬を受けて、排卵を起こし、生理を起こすわけなんだけれど、薬剤の影響と生理そのものの影響で非常に具合がよろしくなかった。非公開ブログの掲載文を転載する。念のため薬剤名は伏せる。わかる人にはわかっちゃうと思うけど。

【黄体ホルモン補充薬】を(中略)処方されている。(中略)これが、めっちゃ、お腹が張る。これまでは、「お腹が張る、集中できない、イライラする、ああこれは生理前か……?」と思うと3,4日で生理が来たように思う。けれど、【黄体ホルモン補充薬】は2週間内服である。飲んでいるうちは生理が来ない(飲み終わって3~7日くらいで生理が来るらしい)。とすると、この腹部膨満感、頭痛、吐き気、憂鬱な気持ち、怒りやすさ、集中力の低下、云々、は半月続くのである*9

 

しんどい。

 

なんなら生理が来てほしい。こんなお腹が張った状態が数ヶ月続くのか、妊娠。大丈夫か。

大変だった。4週間中3週間も具合悪いのである*10。労働に悪影響である。

初めての黄体ホルモン補充期間中、10分と集中力が保たない上、メンタルもよれよれで、「働けない……働けない私に価値がない……どうして自覚的にはなんともない『不調』を治すために飲む薬で自覚的に不調にならないといけないのか……私の身体がおかしいせいか……そうだな私が悪い……どうしようもないが……」とドンヨリしていた*11。ドンヨリとかいう言葉ではどうにもならないくらいの落ち込み加減だった。

それで何もしない私ではない*12。私はままならない不調とそれにより阻害される生活を何とかするため、いくつかの手段を取った。「医師にしんどさを訴えて処方を変えてもらう」とか「直属の上司に事情を説明する」とか「人は高温期の不調(あるいはPMS)をどう攻略しているのか文献を探す」とか「自分で月経随伴症状調査のフォームを作って量的に記録を行う」とかした。結局、黄体ホルモン補充薬を2回3回と繰り返し使ううちに、身体が慣れたのか調子はそれほど落ちなくなったし、そもそも今はその薬使わずにいてもらっている。

でもさ。

PCOSがあるおかげで、生理が来なくて、それに伴う不調もなくて、だからここまで働いてこられたんだなあ、と思うわけ。私は「病んで」いるのかもしれないけど*13、だからこそ、調子の波が小さい。

労働力の提供。

その点からすると、悪くなかったんだろう。そして、「治療」して「不調を得」た時、怖くなる。『具合の悪い私を、「それがあなたの実力だ」と思われたくない』*14

再び、非公開ブログから引用。

そして思ったこと。

  • これまでのように、安定してパワフルに働く、ということを、諦める
  • それが「間違った」「劣った」「仮の」姿だ、とは思わないようにする(それが実力である)
  • へろへろしていても、存在していてよい
  • へろへろしていても、やるべきことをできるようにという目を向ける
  • 新しい形態の身体と、私で、やっていく
     

とりあえず、月経随伴症状の記録がしたい。アプリ探すかー。→探したがピンと来ない……。既存尺度の調査に移る。

心身の元気には限りがあり、その中でなんとかやっていく他はない。できることを。提供可能な価値の提供を。

 

一応「提供」の話に落ち着いた……か?

お付き合いありがとうございました。次回もこういう話をするかもしれないし、飽きたら別の話をします。

 

激励、疑問、聞きたい話などお気軽にどうぞ。

*1:挙児希望、って一般的な用語ではないかもしれない? 最近は「妊活」が人口に膾炙しているだろうか。私、この言葉、あんまり好きじゃないんだけど。あと、「不妊治療」も好きじゃない。「不妊」、一生子供できんみたいに言われている気持ちになるというか。いやそういう意味じゃないのわかってるんだけど……。

*2:魔法学会の話とかアイ庭とかの長い話は、朝早めに起きて、少しずつ書いていた。電車通勤をしていた頃は、電車で書けたんだけど……。アドベントカレンダーもそうね。

*3:今は「タブを閉じる」とか「アプリを閉じる」とか言ったらいいんだろうか?

*4:してたら、短歌集を出してない……かもしれない。いや、うーん、私は出したかもしれないな。記録のために。

*5:「まだ」って書くの、怖いなあ。一生できないかもしれないのにね。この、いつ終わるのかわからないが続ける、というのが、かなりしんどい感じがある。

*6:不妊症とは、夫婦が妊娠を希望し1年以上性生活を行っているにもかかわらず妊娠しない場合をいう.なお、妊娠のために医学的な介入が必要な場合は期間を問わない.」医療情報科学研究所 編集『病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科』第4版 p230(メディックメディア, 2018).

*7:年に3~4回くらい。

*8:AMHが10を超えている。

*9:これらの症状が、【黄体ホルモン補充薬】の副作用なのか、黄体ホルモンが補充されて起こる普通の反応なのか、妊娠超初期反応なのか、それもわからない。

*10:短歌集がお手元にある方にしか伝わらない話で恐縮だが、それで「飲めば病み」や「二週間」の歌ができた。

*11:つらかった話なのであれそれと書き立ててしまうけれど、黄体ホルモンを補充してもなんともない人だっているはずである。これから使う人、怖がらせたらごめんなさい。

*12:労働ができないのも困るし、まず、心身が健康でなければ作文ができない

*13:ここが「かもしれない」であることが、私の抵抗、という感じもある。あるいは、他にPCOSを持つ人(なんせ有病率5-10%とかいうメジャーな症候群)が、「病んでいる」と言われたら嫌だろうなあ、という気持ちもある。っていうか、私は嫌だ。

*14:これは文献調査で見つけた、調査参加者の言葉だったが、しっくり来たので覚えていた。元論文は忘れてしまった、すみません。

いびつだから、尖って、刺さる

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第3日目の記事です。*1

昨日は「今年って何か提供したっけ……」を見直すために紙の日記帳を見直し、日記帳自体の説明をしまくって終わりました。ちん。

その後日記帳を読み返して、「提供」として書けそうなことをいくつか発見してきました。色んなことのあった年だった……。全部をここに書けるわけではないけれど、いけそうなものは、初日記事の書きたいことリストにも追記した。よし。

というわけで、今日は、提供したことの話。タイトルの「いびつ」から一文字則宗かなと思ったあなたは鋭い。鋭いけど、彼は一言しか出てこない。

道を外れし生き見本

昨冬、後輩の学生企画で、「卒業生の話」をするために呼んでもらった、ということがあった(zoomでの集まりだった)。

私の現職はそこの卒業生にしては珍しく、人に出身と現職を話すと「え、どうしてですか?」となることがある*2。それで、うら若き後輩たちへの、こういう道の外れ方もあります、っていう生ける見本役で呼ばれたのであった*3

私は呼んでもらって嬉しかった。「なんで道を外れた私が?」と慄いたけれど、これは私が私のキャリアを(恥ずかしいな、この語は)振り返るよい機会でもあると思ったから。

いびつさと鋭さ

当日を終えて*4

どうして私に声をかけてくださったのか、担当の学生さんに聞いてみた。すると、『何年か前に懇親会であなたと話したことがあって、いつかこの場に呼んでみたいと思っていた』とのことだった。私はそのことを完全に忘れており、とても申し訳なかったが、同時に非常に感動した。

当時の紙の日記帳から抜粋する。

きれいでないキャリア、いびつな人生、半端かもしれない選択たち。(中略)

欠けているから、するどくなって、ささる。

歪さは愛だと一文字則宗は言う。いびつだから、人の目にとまり、人に呼ばれる。話したいと思ってもらえる。人生を後悔することは基本的に、ないけど、人から(知らなかった人から)おすみつきをもらえるととても、とてもうれしい。自信がつく。

自分の足跡を振り返って、認める

私は自分のキャリアについて、これでいいのかしらん、と未だに思っている部分がある。ちょっとだけね。私はこのむちゃくちゃ加減が好きだし、気に入っているんだけど、ちょっとだけ、「これは『正解』ではなかったのではないか」「『規範』から外れているのではないか……」という気持ちがある。年々、まあいっか、感が増してはいるんだけど、ごくたま~に、人から痛いところを突かれるときがあって*5、そういう時には後悔してしまう。これでよかったのか、って*6

だから、思いがけず認めてもらえて、嬉しかった*7

そうしてちょー学会本ができる

突然二次創作の話になるんですけど。

そういうことがあって、『ちょー魔法学会学術集会 初日』が書き上がった*8。懇親会の始まったところで止まっていたのだけど、その後のパートが書けた。今思うとダイレクトすぎて恥ずかしいが(ユレラズと後輩ちゃんたちのくだり)、まあ、仕上がったのはめでたいことだ。

これでもまた私は、何かあれば後悔したりするんだろう。だけど、あの場に呼んでもらって喋らせてもらったおかげで、以前よりかは、強固になったと思う。「これでよかった」感が。

 

めっちゃ私事を話してしまった……。いいの、創作の話題になると尺が伸びがちだから、アドベントカレンダーの序盤は創作の話をできるだけしないようにしようと思ったの。というわけで、私生活の話が続くかもしれませんが、てきとうにつまみ食いされてください。今日もお付き合いありがとうございました!*9

 

応援、ご質問、リクエストなどこちらにどうぞ!

*1:アドベントカレンダーとは本当に何にも関係ない話なんですが、今朝起きたら妙に首が苦しく、鏡を見るとパジャマが後ろ前だった。どうして寝る前に気づかなかったんだろう……。寒がりながら戻した。

*2:面と向かって訝しげにする人は多くないが、意外だな、というリアクションはしばしばある。

*3:もちろん先方がこのような説明をしたわけではない。非常に丁寧にご対応いただいた。

*4:当日はまあ無事に終わった、と思う。

*5:このような人は大概、客観的に見ても、礼を欠いているのであるが……。

*6:しかし、歴史を変えることはできない。そして別に、変えたいわけでもない。けど、後ろめたさがあると、指摘されたときに脆い。

*7:これは、人から「よかったよ」と言ってもらえると自作を好きになる、みたいなやつだな。

*8:まだちょっと在庫ある。

*9:ところで一文字則宗は何だったんだ。つまりね、完全ではないかもしれない自分の人生を、それでも愛する、ということですね。あるいは、完全ではないから、愛される、ということ。

日記を見直す──私のかわいい日記帳の話

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第2日目の記事です。

なにか提供したっけな

……思い出すために、紙の日記帳をざっくり読み返すことにする。今使っている日記帳の表紙を開いたら、「2021.6.27」から始まっていた。前の日記帳を使い終わって、新しい日記帳に移行したんだった!

日記帳の話

前の日記帳(として使っていたノート)は分厚くて、2017年7月から2021年6月まで使っていた。私の「日記」は毎日書くものではない。「そろそろトピックが溜まってきたので書き留めておきたい」とか、「書き出さないと頭パンクしそう」とかのときに使う。1年空いてることもある。それでもいい*1

非公開ブログやらnoteやらTwitterやらのおかげで、必ずしも紙の日記帳に書かなくてもよくなった、というのもあるかもしれない。

 

あと、これどっかでツイートしたいなあと思っていて全然できていなかったんですが*2、今使っている日記帳、カキモリさんで作ったやつなんですよ。店頭で。とてもかわいくて、書きやすくて、お気に入りなんですよ。

表紙は分厚い画用紙みたいな赤い紙、裏表紙は紺の布張りの紙。どっちも質感があって楽しい。

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リングは金色の上下セパレート型で、左ページも右端まで書きやすい*3
留め具はゴム。クルッとかけて閉じるだけ*4
中紙の種類……は忘れてしまったけれど……日記帳に書いてあった! クリーム色のOKフールス紙、白色のバンクペーパー、またOKフールス紙、で三層です。罫線入りで、右上に日付欄があるやつ。日記を後から見返すときに、いつ頃の、と探すのが楽になるように。あと、最後のページに封筒を付けています。チケット類とかすぐ捨てちゃう(別にそれでいい)んだけど、なにかどうしても取っておきたいものがあったら、ここに入れとこうと思って*5

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赤、紺(、差し色に金)、は、加州清光とにっかり青江の極コンビという感じで選んだ……気がする。旧一軍の投石組のことを私は今でも信頼していて、秘密の日記帳を包む役割をお願いした*6

ノートの話をめっちゃ長々と書いてしまった……。カキモリさんの店舗で、表紙とか紙とかひとつずつ選ぶのはとても楽しいです。おすすめ。製本を待っている間にお出かけもできる(近いので、刀剣博物館とかにも行ける)*7

なおオーダーノートはオンラインでも注文できます。よろしければ。

リングノートkakimori.com

で、なんだっけな

日記帳の話で終わりそうじゃない?

今年はアドベント連句(仮)もやりたいし、昨年のアドベントカレンダーの最後には「腰と首が犠牲になった」と書いてあるし(これはアドベントカレンダーを書く時間を優先してリングフィットアドベンチャーをさぼったせい)、夜の時間はできるだけ空けておきたい。だから朝起きて30分くらいで書く……ができたらいいなあと思ったのであった*8。そんで、今朝は起きられたけど、もう30分経った。日記を! 読み返してない!

日記帳(旧)を読む

日記帳を開きました。2020年末の記録に、「今年を振り返っての一言」として、「愛に振り回されない」と書いてある。えらい*9

で、2021年のゾーンに入ったんですが、今年めっちゃ色んなことあったな……(遠い目)。時間がかかりそうなので、今日の記事はやはりここまでにしておく。アドベントカレンダーを「書く」時間とは別に、読み返す時間を取らないと、明日も時間なくなるな、これは……。

でも自分の日記を読み返すの好きなので、楽しんでやっていきます。ツイートも振り返れたらいいなあ。

 

アドベントカレンダー、毎回マシュマロ置いていきます! 「提供」に関連して聞きたいことなどあれば、お気軽に投げてください(この記事の「提供」感の薄さよ……*10)。

marshmallow-qa.com

*1:というか、ルールを定めていないので、「それでもいい」という言い方は語弊がある。「別になんともない」くらいが正しい。

*2:「出かけた」と言いづらかった。

*3:前回使っていたリングノートが上から下までリングで、左ページが大変書きづらかった。

*4:棚に雑に突っ込むので、ページの隙間に何かが挟まる事故が起きやすい。ゴムで留まっているだけで助かる。開けるのも簡単だし。

*5:今のところ何も入っていない。もともと、どこかに行った時のチケットやチラシを取っておくクリアファイルは別に持っている。それでも、「日記帳になにか素敵なものを入れておける」という状態は、私にとってほんとに素敵でわくわくすることなのであった。

*6:全然関係ないけど、以前ファミマで扱っていた刀剣乱舞コラボチケットホルダーも、清光と青江の2種を持っている。この間閃華(とうらぶオンリーの同人誌即売会)にサークル参加する際、サークルチケットをどちらかに持ってもらおうと思った。そして清光にお願いした。石かりスペで出るのに青江に頼むの恥ずかしかった、というか、おま江は作中の青江じゃないし、いたたまれないかなと思って……(いたたまれないのはお前だ)。そしてこういうことになった。スペースにいらしてくださった方が、やはりファミマのチケットホルダーからお札を取り出されるのも見た。なるほど!? お財布ほどかさばらないし便利だな!?

*7:なんならカキモリさんの2階でオーダーインクを作って行ってもいい。

*8:魔法学会の話を書いていた頃は、そういう生活をしていた。あれは夏~秋の時期だったけれど、今は冬だからな……早起き、続くかな……。

*9:これは愉快で聡明な友人たちと行ったzoomミーティングで、互いを褒め合う会をやった折、最後に全員が発表したものであった。

*10:私、喋りたいことがたくさんあるんだな。この1年も、「人と喋る」機会って減ったままだったもんな。めっちゃうるさいアドベントカレンダーになるかもしれん……。

提供──アドベントカレンダー2021

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第1日目の記事です。

過去のアドベントカレンダー

このブログでアドベントカレンダーを書き始めてから、早くも4年目になりました。

毎年、その年の目標をテーマにして書いています。これまでのアドベントカレンダーは下記です。

2020 感情と意思

2019 愛の観察ツアー(徒歩)

2018 人間をケアする

今年のテーマ

今年の目標は「提供」でした。アドベントカレンダーのテーマは「提供」でいきましょう。

目標を立てた時の話。

2021年の目標:提供 - 単品と単品

相手が求めるものを考えて手を動かして、必要なものを提供する。創作でも労働でも私生活でも。

私は同人二次創作作文をする者ですが、それに限らず、「提供」を心がけたい、ということでした。

今年のアドベントカレンダーの運用

媒体について

これまでのアドベントカレンダーは、このブログ内だけで書いてきました。今年は、書く媒体があちこちに散らばるかもしれません。noteとか、自サイトとか。

媒体によって、話せる内容の範囲が変わります。その時話したいことによって、最適な媒体を選べたらと思います。

継続について

アドベント連句がやりたいのと、色々立て込みそうなので、アドベントカレンダーは飛び飛びになるやも……。毎日書けなくてもよい、ということにします。2年くらい前から、平日にしかやってなかったし。

記事案メモ

全部書けるとは限りませんが、今のところ。※12月2日に今年の紙の日記帳を読み返して追記(打ち消し線は書いたやつ)。

  • 紙の日記帳の2021年分を読み返してみる
  • 後輩と私といびつな人生のこと
  • ちょーフェスへの寄稿と学会本のこと
  • 挙児希望のことと、それに伴う歌のこと
  • 月経随伴症状調査フォームのこと
  • 創作の伝播について(Webサイト、本、歌、他)
  • 自サイト作成について
  • 同人誌の書店委託体験談
  • イベントにサークル出店することについて
  • にっかり青江単騎出陣全文文字起こし、およびあおたん連句について
  • 今年書いた作文のこと
  • 今年作った本のこと
  • ろくでもない占いと、そうでもない占いのこと
  • 私に提供できるもの、できないもの

あと、アドベントカレンダーではないんですが、12月末に「今年の作文」を振り返るやつがやりたいです。去年とても楽しかったので……。

 

それでは、今年も、どうぞよろしくお願いします。お互い無事に年末を乗り切れますように。

激励などこちらにどうぞ!*1

 

アドベントカレンダー2021もくじ

※2022年1月1日追記

書いた記事をジャンル別にまとめていきます。
★はおすすめ記事。

労働・人生の話

妙な人生で後輩に呼ばれる いびつだから、尖って、刺さる

婦人科疾患と「調子のよさ」 PCOSもちと労働力の話

公私問わず書いていたいよ 労働と提供

★重大発表(あおたん当選) 書けなくなることだけが怖かった

してもらって良かった接客 港灯籠見に遠回り 良かった接客の話

人により心地よい状態が違う 花はらり神も宴に笑ふにや 提供と演出の話

女性性・妊活短歌の話

★生理前・中のつらい症状に対処するツール 黄体ホルモン補充薬の副作用がつらかったので、月経随伴症状調査フォームを作った話

妊活短歌って世にあんまりない? 心をなぐさむるは歌なり ①妊活短歌というジャンル

★つらさを(よく練られた)言葉にすると自他の役に立つかも 心をなぐさむるは歌なり ②つらさから歌を錬成する

やっぱり妊活短歌ってマイナー? 心をなぐさむるは歌なり ③歌の宛先

★生理不順と女性性 月影よ差せよ血潮の浅きまで 女性性の提供

二次創作・交流の話

朝焼けの美しさを いろいろな人に向けて書くこと

★自サイトがあると心が楽です 自サイト築城と、創作の伝播の話

★イベントでお客さんと話して思ったこと こうかんのこうかん 差し入れの話

作品を推したり中の人を推したりすること こうかんのこうかん 作品と作者

★楽しい作文遊びまとめ ピザの耳からチーズとけだす(作文の研鑽の話)

アラカルト

キモリさんオーダーノートかわいいよ 日記を見直す──私のかわいい日記帳の話 

★noteでよく読まれた記事まとめ note記事から見る「提供」

ふかふかの苔が大好き クチナシの焦げた葉にやる冬の水

★最終日のまとめ記事 北窓開き君と伸びする 今年の「提供」まとめ

*1:表示名が「ゆあれ/蔦子」ですが、ちゃんと私に届きます。全員同じ人なので……

途中まで読んだ:この春、とうに死んでるあなたを探して

榎田ユウリ 著(2018)

この春、とうに死んでるあなたを探して = This Spring,I'm Looking for You Who Have Long Been Dead (筑摩書房): 2018|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

胃の調子と文体がミスマッチを起こした……

読んだ:ホワイトラビット a night

伊坂幸太郎 著(2017)

ホワイトラビット : a night (新潮社): 2017|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

伊坂幸太郎は高校生くらいまでは追っていたが、しばらく手に取っていなかった。久しぶりに何か読みたいなあと思ってなんとなくこれを。

黒澤さんのファンサがすごかった……。

読み始めた時には語り口(神の視点がいる)に慣れなくてうーんと思ったけれど、話の筋がほんとに面白いのですぐ読書に夢中になってしまった。さすがです。

あと若葉ちゃんが出てきて嬉しかった(今村さんたちのことを忘れていたが、若葉ちゃんはバットの話が強烈だったので覚えていた)。

あとがきの『無事にできあがるのかどうか不安で仕方がなく、おそらく無事にはできあがっていないのですが、それでもこうして完成したことにほっとしています。』(p269)とあり、なんとなくわかる気がする、その気持ち(自分が作文をするときのことを思い出しています)。