単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

こうかんのこうかん 差し入れの話

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第13日目の記事です。

昨日は、人のウェブサイトに憧れて自サイトを築城した話と、楽しいことをして一人で踊っていると、それを見た誰かも楽しいことを自ら楽しめるかもしれないという話をしました。

今日は、楽しいことの伝播から話題を引っ張って、創作活動に関連する他者との交流の話をしたいと思います。

イベントに出た話

11月、とうらぶイベントにサークル参加してきた。実に2年くらいぶりのサークル参加であった。初めてのカプスペース参加でもあり、とても緊張したけれど、終わってみたら楽しい時間だった*1

差し入れとそのお返しの話

本を手に取っていただけるだけでありがたいところ*2、差し入れまで添えてくださる方がいらした*3

差し入れをいただく可能性があると事前にわかっており*4、気持ちだけでもお返しがしたいと思っていた。イベント慣れしていない*5私はこういう時どうしたらいいのかわからず、悩んで、個包装のクッキーを用意してみた*6。実際の用途としては、差し入れをいただいたときにお渡しするだけでなく、他スペースの方にお渡ししたり、自スペースで食べたりもした。

あると便利だった。やっぱり用意しておいてよかったな。そう思ったのだけれど、一つ印象深かったことがあった。

「「バランスがおかしい」」

本をお迎えくださった上に差し入れまでご用意されていた方に、「ほんとにほんの気持ちなんですが……」とクッキーをお渡ししたら、正確な言い回しは忘れてしまったのだけれど、このようなことを真剣な表情でおっしゃっていた。

『私は本をいただいていて、そのお返しにお渡ししているのであって、さらにいただいてしまっては貰い過ぎである』

……といったことだった。

め、めちゃめちゃわかる、と思った。

その時の私は、完全に、読み手私書き手私に割れていた。天使と悪魔が脳内で同時に説得してくる絵みたいになっていた。

読み手私:めちゃめちゃわかる。読ませていただいている作品があまりにも素晴らしいときに、どうしても何か御礼がしたくなる時、ある。そういう時はだいたい感想をお送りするんだけど、機会があるなら、気持ちばかりお品物をお持ちしたくなること、ある。もしそれに対して作者の方から「ありがとうございます」って何かお返しをいただいたら、「いや、バランスがおかしい!」って叫びたくなるの、めちゃめちゃわかる。

書き手私:私が文章を書いているのは畢竟私が読みたいためであるのに、それを発見して、わざわざ読んで(文章の処理には画像処理の6万倍の時間がかかるというのにだぞ)、更に気に入ってくださり、本をお迎えくださるために足をお運びいただいてしかも声をかけてくださってなんとなんとお品物までいただいているんだぞ! バランスがおかしいのはこっちだ!


……結局、「いいんですいいんです私が嬉しいんですから」とか何とか言ってクッキーをお渡しした。したのだけれど、申し訳ない思いをさせてしまっていたら申し訳ないなあ、と思いました。すみません*7*8

貴女の声が聴こえた刹那 この魂に意味を感じる

見出しはあんスタの騎士道ユニット、Knightsの「Grateful allegiance」2番サビ歌詞です。なんと、下の再生ボタンを押すと、ちょうどそのフレーズが流れる(これは偶然)。

open.spotify.com

これは確か石切丸本を携えてイベントに出た、イベント参加2回めのときに、青江本のサンプルを読んでくださった方が*9、直接感想を伝えてくださった時に頭に流れたフレーズでした。今でも、あんまり嬉しい言葉をいただくとやっぱり頭に流れる。

書いているのは私のためで、書き上がればそれだけで満足である。私が読めるものが形になるのはめでたいことだ。だけど、誰かが「よかったよ」と言ってくださることが、いつだって本当に嬉しくて、力になる。また書こうと思う。あなたの好きなものは書けないかもしれないけれど、でも、また書きたいって思う。

そういう時、書き手私が読んでくださる方にありがとうって思うのは、止められないことだ*10*11

 

これに続けて、感想の話とか、作文と「中の人」の話もしたかったのだけれど、そろそろいい時間になってしまった。次回以降書くかもしれないし、書かないかもしれない。

あと一週間くらいになってきちゃった! 「これが聞きたいよ」とかあれば教えて下さいね。

marshmallow-qa.com

 

*1:直前の依頼だったにも関わらず、売り子を頼まれてくれた友人に感謝である。

*2:しかも、「今日買えるのを楽しみにしてました」って声を弾ませてくださる方、「こちら(既刊)とてもよかったです……!」と指しながら新刊をお迎えくださる方、別れ話新刊を手に取って「別れる話、逆にアリかなと思いました!」と元気にニコニコしてくださる方、私がTwitterに放流した話を気に入ってくださっていて「紙の本になっていたなんて嬉しい」とお迎えくださった方もいらして、お言葉をいただくたびに毎回毎回、ああもう今日は今すぐ帰っちゃってもいいくらい満足したな、ってくらい幸せでした。ありがとうございます。皆さま初対面なんですよ(少なくとも面識ある方ではなかったはず……前にイベントにいらしてくださってたらすみません。そしてもしもフォロワーさん混ざってたらさらにすみません……)。そんなことがあって、書き続けて、本を出してきてよかったなって、心から思いました。私と、知らないどなたかの間を繋ぐのが、私の書いたものであることが、とても嬉しい。

*3:これもうろ覚えなんですが、顔を知らない人から差し入れをいただいたの、初めてだったような気がする……?(違ったらすみません……)

*4:これは私の願望ではなくて、そのようなご連絡をくださった方がいらしたため。ありがたすぎる。

*5:差し入れ慣れしていない、と言うべきだろうか。

*6:昨日書いた、殿堂入りのリボンかけ同人誌をお迎えした時に、サークル主さんがロータスのビスケットを一枚付けてくださったのだった。

*7:たぶんここをご覧になってはいないと思いますが……

*8:あと、差し入れについてイベント後に考えたことを記録しておくと、今度から私が差し入れをお持ちする時には「記名する」「賞味期限がわかるものにする」にしようと思いました(これは、私にいただいたものについての批判や文句ではございませんので、あしからず。何をいただいても嬉しいし何でも嬉しくいただいております……!)。いただいたものにお名前があると、「あなた様~!」と思えるし、後で御礼メッセージも送れて、ありがたいなあと思う。名前を書くの、認知されたいみたいでがめつくないかとビビる気持ちもあるけれど、ファンレターに住所氏名を書くみたいに、「怪しいものではございませんよ」という意味でも記名しておこうかなと思いました。これはなるほどと思った話なのですが、いただいた差し入れの中に、「お菓子や小物の詰合せの袋に貼られたシールに、サークル名とキャラクターがかわいく書かれている」という体裁のものがあって、かわいくてほっこりするし、差出人もわかるしでとてもクールで素敵だった。あのようなことを真似できたらいいんだが、絵は描かないからなあ……、差し入れめぐりズムに短文とサークル名とTwitterアカウントでも入れておくか……と考えているところです。賞味期限はね……確かにすぐ食べるとも限らないし、期限切れではないかと警戒するかもしれないもんね……(私は比較的すぐ食べるが……)。
上記、こちらの記事を参照にて。いただくものについては何をいただいても嬉しいし何でも嬉しくいただいております、ほんとに。私がご用意する時の参考に、ってだけね。
全部嬉しくいただいているんですけれど、ただどうしても、あの、「いただいた差し入れの画像をTwitterに上げる」の意味がわかんなくてあれができなくって(画像を上げている方を批判しているわけではありません、念のため)、もし楽しみにしていた方がいらしたらすみません。投稿はしていませんが、いただいたもの全部並べて写真を撮ってうへうへしているし、全部ありがたくいただいたり使ったり読み倒したりしております。

*9:当時は青江本も在庫があった。

*10:特に私、同カプを好んでいる人と、ほぼTwitter上で交流していないわけだし、わざわざイベントに顔を出してくださるなんてどんな奇跡なんだ。あのスイカ食べてくれた人間が本当にいたんだ……。

*11:ただ、私の場合、「同カプ推しというわけではないが、君の文章や本は嫌いじゃない」みたいな理由でお手元にお迎えくださっている人がそれなりにいらっしゃるような気がしており、それはそれでありがたすぎる。あの、無理せず……。食べたいものを摘んでいただければ……