単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

いびつだから、尖って、刺さる

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第3日目の記事です。*1

昨日は「今年って何か提供したっけ……」を見直すために紙の日記帳を見直し、日記帳自体の説明をしまくって終わりました。ちん。

その後日記帳を読み返して、「提供」として書けそうなことをいくつか発見してきました。色んなことのあった年だった……。全部をここに書けるわけではないけれど、いけそうなものは、初日記事の書きたいことリストにも追記した。よし。

というわけで、今日は、提供したことの話。タイトルの「いびつ」から一文字則宗かなと思ったあなたは鋭い。鋭いけど、彼は一言しか出てこない。

道を外れし生き見本

昨冬、後輩の学生企画で、「卒業生の話」をするために呼んでもらった、ということがあった(zoomでの集まりだった)。

私の現職はそこの卒業生にしては珍しく、人に出身と現職を話すと「え、どうしてですか?」となることがある*2。それで、うら若き後輩たちへの、こういう道の外れ方もあります、っていう生ける見本役で呼ばれたのであった*3

私は呼んでもらって嬉しかった。「なんで道を外れた私が?」と慄いたけれど、これは私が私のキャリアを(恥ずかしいな、この語は)振り返るよい機会でもあると思ったから。

いびつさと鋭さ

当日を終えて*4

どうして私に声をかけてくださったのか、担当の学生さんに聞いてみた。すると、『何年か前に懇親会であなたと話したことがあって、いつかこの場に呼んでみたいと思っていた』とのことだった。私はそのことを完全に忘れており、とても申し訳なかったが、同時に非常に感動した。

当時の紙の日記帳から抜粋する。

きれいでないキャリア、いびつな人生、半端かもしれない選択たち。(中略)

欠けているから、するどくなって、ささる。

歪さは愛だと一文字則宗は言う。いびつだから、人の目にとまり、人に呼ばれる。話したいと思ってもらえる。人生を後悔することは基本的に、ないけど、人から(知らなかった人から)おすみつきをもらえるととても、とてもうれしい。自信がつく。

自分の足跡を振り返って、認める

私は自分のキャリアについて、これでいいのかしらん、と未だに思っている部分がある。ちょっとだけね。私はこのむちゃくちゃ加減が好きだし、気に入っているんだけど、ちょっとだけ、「これは『正解』ではなかったのではないか」「『規範』から外れているのではないか……」という気持ちがある。年々、まあいっか、感が増してはいるんだけど、ごくたま~に、人から痛いところを突かれるときがあって*5、そういう時には後悔してしまう。これでよかったのか、って*6

だから、思いがけず認めてもらえて、嬉しかった*7

そうしてちょー学会本ができる

突然二次創作の話になるんですけど。

そういうことがあって、『ちょー魔法学会学術集会 初日』が書き上がった*8。懇親会の始まったところで止まっていたのだけど、その後のパートが書けた。今思うとダイレクトすぎて恥ずかしいが(ユレラズと後輩ちゃんたちのくだり)、まあ、仕上がったのはめでたいことだ。

これでもまた私は、何かあれば後悔したりするんだろう。だけど、あの場に呼んでもらって喋らせてもらったおかげで、以前よりかは、強固になったと思う。「これでよかった」感が。

 

めっちゃ私事を話してしまった……。いいの、創作の話題になると尺が伸びがちだから、アドベントカレンダーの序盤は創作の話をできるだけしないようにしようと思ったの。というわけで、私生活の話が続くかもしれませんが、てきとうにつまみ食いされてください。今日もお付き合いありがとうございました!*9

 

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*1:アドベントカレンダーとは本当に何にも関係ない話なんですが、今朝起きたら妙に首が苦しく、鏡を見るとパジャマが後ろ前だった。どうして寝る前に気づかなかったんだろう……。寒がりながら戻した。

*2:面と向かって訝しげにする人は多くないが、意外だな、というリアクションはしばしばある。

*3:もちろん先方がこのような説明をしたわけではない。非常に丁寧にご対応いただいた。

*4:当日はまあ無事に終わった、と思う。

*5:このような人は大概、客観的に見ても、礼を欠いているのであるが……。

*6:しかし、歴史を変えることはできない。そして別に、変えたいわけでもない。けど、後ろめたさがあると、指摘されたときに脆い。

*7:これは、人から「よかったよ」と言ってもらえると自作を好きになる、みたいなやつだな。

*8:まだちょっと在庫ある。

*9:ところで一文字則宗は何だったんだ。つまりね、完全ではないかもしれない自分の人生を、それでも愛する、ということですね。あるいは、完全ではないから、愛される、ということ。