単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

自サイト築城と、創作の伝播の話

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第12日目の記事です*1

昨日の記事はうすらぼんやりしていましたが、朝焼けが綺麗でした。じゃなくて、ええと、多様な人を含む集団に向けて書くことの話をしました*2。それでも、わかりやすい文章*3や、心に残る文章*4が書けたらいいなあ。

文系魔女の話をしてなかった

前々回の記事で、「書くことで役に立つ」って話をしました。

それが私の目指す「文系魔女」なんですよね*5。あの流れで言えばよかったんだけど、忘れてた。

イマジン文系魔女、人里離れた湖畔の小屋で、天井にハーブを吊るして乾かして健康に良さそうなお茶を作ったり*6、占いをしたりながら、物書きして原稿を町に送って過ごすの。実際は、在宅勤務により引きこもりながら、冷蔵庫にいつも何種類かのジャムを備えておいていつでもホットケーキ祭りができるようにしたり、占いをしたり、作文して原稿を城やpixivや印刷所に送ったりして過ごしている。……だいたい合ってるな。

築城の話

そう、城の話! これはぜひ取り上げたかった!*7

夏に自分のウェブサイトを作りました。ぱちぱち。
久々の我城です。城はいいぞ。

作り方の話でもしようかな〜と思ったんですけど、たいしたことしてないので、特に言うことがない……。

「私も城が欲しい!」という人は、この記事とか参考になるかもしれない。

私が使ったのは、記事とは違って、ロリポップサーバー(月330円)+WordPress(無料)です*8。テーマ(デザイン、あるいは、昔自サイトを持っていた人には「テンプレート」で通じるだろうか)も違いますね。でも、サイト公開までにやったことはほぼ同じな気がする。

城があってよかったこと

それはu_u_cに書いてもらったほうがいい気がするなあ。ざっくり書いておくか。

  • メゾン全体
    • 書き手格たちを俯瞰できるようになった
    • リンク集として便利
  • 201号室
    • 二次創作小説を置くときにタグもキャプションも考えなくていいのが非常に楽*9
    • 長文あとがきが書ける(あとがき書くの大好き)
    • 「ゆあれ(または蔦子)」が長文を書けるスペースができた

他人の城に憧れて

城の公開は8月21日。誕生日だね、おめでとう。

5月から欲しがってて、ロリポップサーバーに申し込みしたのが8月19日。2日で築城したらしい*10

城が欲しくなったのは、人の素敵な同人二次創作サイトに、いいなあ私も城が欲しい、と思ったからだった。4月のイベントで見かけた本が、表紙とタイトルだけで「これはぜったい中身も最高」とわかってしまったのにその場では(なんでか)買わなくて、でも忘れられなくて後でBOOTHで買い、届いたご本はやはり最高で、サイトの拍手から感想をお送りした……んだと思う。順番があやふや。そしたら予想を上回る心づくしのお返事をいただいたのでもうどうしようもなく好きになってしまった。「お返事をもらう」ことがめちゃ好きなので*11

それから私も城を作って、自分の好みのままの作文を置き、ジャンル色々な既刊紹介ページを作り(非売品も並んでいる)、ツイッターに収まりきらない長文所感を置いたりしている。とてもよい。城があると精神によい。

創作の伝播

私のサイトは人のサイトの影響でできた。同様に、私の最初の同人誌(カバーと帯の上にトレペカバーの巻かれている文庫本)は、十年以上前に即売会で買った最高の、というか殿堂入りの同人誌がカバー付き文庫本で(金色のリボンがかかっていて、ほどいてから読むスタイルだった)、それにずうっとぼんやりした憧れがあって、いざ本を作るとなった時にはその本の奥付にあった印刷所にお願いしていた。

今年は、マジカルレインボー疑似小口染めの本を作ったり、私家版しかなかった本の頒布版に挑戦したり、オーダー香水で気が狂って本を作ったり、また気が狂って11月に新刊4冊出したり*12した。香水本の仕様もまた、他の殿堂入り同人誌の仕様から着想を得たものだ(だいぶ違うことになったが)。城も作った。他にもいろいろな遊びをさせてもらった。句会とか、すごろく大会とか、連句とか。

それで今年は、「行動的だ」と称してもらうことが、これまでより多かったみたいだ。「私もやってみたい」と思う人もいてくれたかもしれない。あなたなりに楽しい時間を過ごしてもらえたら、私も嬉しい。私もまた、人に憧れて、あれこれやってみる人なわけで、次に渡せることは幸せだなと思う。そして、さらにその次の人に伝わることも*13

 

よし! 今日は話題を2つクリアした。明日は何の話をしようかな。

ご意見ご感想などこちらにどうぞ!

*1:いちいち1日目の記事を探すのが面倒になってきたので、ブログトップの固定記事にした。

*2:「集団」には「多様な人」がそりゃいるだろうがと思います、が、普段わりと均質な集団にいるので、大概の「集団」が「多様」に見えがち。

*3:noteとか、

*4:小説とか、

*5:この話も何度もしているけど、文系魔女になりたかったから、「文系」被りしてる歌仙兼定を初期刀に選べなかった。最後まで加州清光と迷った。今でも歌仙と「文系」の解釈は食い違うけど、両者とも普通の「文系」を指しておらず、どっちもどっちである。

*6:よしもとばなな『王国』の影響がある。

*7:初日の記事の「書きたいことリスト」、書いたら打ち消し線で消しているのだが、半分も埋まっておらぬ。その日書きたいことをぼんやり書いているからな……まあ、書きたいことを書ければいいんだけど、せっかくなので、リスト内の書けそうなことは積極的に書いていこうと思いました。

*8:サーバー代を払わなくなったら我城は終わるので、あまり長期に閲覧したいものは我城に置かないようにしている(例:本のおまけの書き下ろし)。諸行無常

*9:私はカプなのかコンビなのかよくわからない作文が多い。カプ派の人もコンビ派の人も不快にさせない、かつ閲覧数を確保するためにはどうしたらいいのか、pixivなどに投稿する際書き方に苦慮している。そんな半端な作文をする奴は閲覧数とか気にしなけりゃいいんだろうけど、各種数字を明記してくるあのプラットフォームでそれは私には厳しい……うう……

*10:ただ、公開時はまだテキストも何もなかった。

*11:連句向きの嗜好だ……

*12:最高の誕生祝いです、自著が大好きなので。でももう新刊4冊はやらないと思う。少なくとも1週間にイベント3つはやらない。色々と間に合わないので……

*13:例:ミュージカル刀剣乱舞を好きになりそうな人に、過去作プレゼンのスライドを送ったり、現地に初めて行く人に現地説明スライドを送ったりすることがある。スライドを読んでくださった方が、すっかり刀ミュを好きになり、今度はご自身のご友人に円盤を見せるなどされているのを見ると、嬉しい。役目を果たしたな……という気持ちになる。

いろいろな人に向けて書くこと

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第11日目の記事です。

昨日はアドベント連句のお知らせを作っており、アドベントカレンダーはお休みしました*1

複数名に何かを提供する

色んな人がいる集団で何かをすることが、今年は多かった。あおたん連句(5名)、推しすごろく大会(8名)、そしてアドベント連句(11名)。仕事では今年1月から月刊の社内報*2を作らせてもらっている*3。集団に向けて何かを説明したり呼びかけたりすることを意識することが多い一年だった。

星占いの話

しいたけ占いさんも

『私が動いて面白くしていくよ。
トップを目指して突き進んでいく』

って言ってた(2021年下半期蠍座*4*5

voguegirl.jp

書く相手と書き手格

多様な集団に向けて書くこと、もともとあんまり経験がない。特定個人とのコミュニケーションか、特定のペルソナに向けて書くことが多かったと思う。そして、それらの方が自覚的に得意だなって。そりゃそうか。相手が知っていることや関心があることをもとに、どういう文章なら読みやすいかを考えて書く文章は書きやすいもの。

そういうわけで、書き手格メゾンが建って、6人も入居することになる(書く内容、想定読み手、書く媒体別に、書いてるものが異なり、それぞれに「書き手格」として名前を付与している。名前が多くて混乱させて申し訳ない。ご配慮ありがとうございます。)。そのへんは桜間大家がメゾンのどこかに書いてたと思うのでここでは控える。

連衆さん*6に向けて

さしあたり、アドベント連句については、色んな人がいるので、説明の分かりづらいところや不足、過剰があるだろうと思います。お気づきの点は教えて下さい。全体向けの資料を直すか、個別に対応します。

なお、私は、この遊びを終始楽しく思っておりますので、負担かなとかあんまり考えなくていいです。ゆるく諦めずに私もやります。

発句ツイートを出せたらしばらく暇だしなあ。連句パンの焼ける匂いをかぎながら、うきうき冬休みを過ごすんだ。楽しみ。

知らない人の中に残る

今朝、ねぼけながらカーテンを開けたら、朝焼けがすごかった。頭に「そは千万億の薔薇」って浮かんだ。野梨原花南『ちょー英雄』(p122)*7

あれは夕焼けの描写だったけど、空が染まっているのを見るといつも思い出す。

先生が誰に向かって書こうと思われていたのかはわからないけど、私の心に何十年も残り続けている。すごいことだなあと思う。先生は私を知らなくて、知らない人の心にずっと残れること。

私も、本を読んでくださったどなたかから「読んだよ」って教えてもらえるとほんとに嬉しい。何年も残るかはわからないけど、その時確かに、私でない人の中を私の書いたものが通り過ぎていったこと。言葉を交わしたことがある人でも、ない人でも。書いたものを他人に読んでもらうの、自分(の文章)が「永遠」に近づく感じがして、幸せ、な気がする。

 

ぼんやりした記事を書いちまったな! 眠かったからな!

マシュマロいつもありがとうございます。お付き合いくださること本当に感謝しております。録画したやつ後で見ますね。

何かありましたらどうぞ! 私が書いたもののことで「これは覚えてる」などあれば教えてもらうと喜ぶと思います(露骨!*8)。

*1:だんだん頭の中で混ざってきて「アドベントかれんく……あれどっちだそれは」となっている。

*2:みたいなもの、

*3:もう一年になるのか。テコ入れしなきゃ……

*4:いきなり占いの話が出てきて恐縮である。しいたけ占いさん、たまに「それだ!!」ってことを書いてくださるので好きなのである。

*5:数年前に、しいたけさんじゃない西洋占星術の占い師さんにホロスコープを見てもらった。普通の十二星座占いは生まれたときに太陽が何座にあったかを見ているところ、ホロスコープは水星・金星・火星……あと月とか、太陽系の惑星+αがそれぞれ何座にあったかを見ている(調べないで書いているのでご勘弁ください。ハウスの概念は説明を諦めた)。私は太陽以外の星もいくつか蠍座に当たっている蠍座の権化らしく、『ダメ男をヒモにして自ら破滅するなど、愛に振り回されて死にかねない』『研究者か、救急医療か、殺し屋が向いている』などと言われた。1セレクトで本当によかった(研究者ではないが、研究員をしている)。それと、また違う占い師さんだけれど、ホロスコープから見る創作占いをされる方がTwitterに何人かいらしていて、とても気になっている。しかし、月に2回抽選があるとある占い屋さんはそろそろ両手の指が埋まるくらい抽選に落ち続けており、構想中だった新刊は書き終わってイベントも終わってしまい、どうしようかな~。お前に助言は必要ないよという天の声だろうか。ここまで来たら当たるまで粘りたいという謎の意地があるが、コンコルドな気もするし、そもそも何を見てもらおうかな……。私にも書ける地獄のレパートリーとかかな。それは気になる。

*6:「連衆」、「れんじゅ」派と「れんじゅう」派がいる。辞書で引くと「れんじゅ」、本とかで見ると「れんじゅう」が多いかなあ。「れんじゅう」の方が馴染みやすい気がして、頭の中ではそう発音しているが、どうなんだろうなあ。

*7:20冊超のシリーズの後ろから2冊めとかなのでここだけ読んでもハテナかもしれない。私は表紙になっているエデアさんが好きです。学会本でも贔屓してしまった(出番が多い。あと嫌な顔をよくする)。あと番外「ぜんぶもとどおり」は魂に刺さり込んでおり、たまにモチーフが二次創作に出てきてしまう。「いつかまみえるべき光」とか。

*8:どうでもいいんですが、ゆあれだったらたぶん「露骨!!」または「露骨!!!」って書いただろうところを、ここでは「!」で済ませることができます。Twitterの圧によって「!」が増えるのであって、書く媒体によって人格が変わっているわけではない。

読んだ:帝国の女

宮木あや子

帝国の女 (光文社): 2015|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

自分の原稿が終わったので、読んだらうますぎてへこむかもしれない商業小説を読むか! と思って宮木さん。

すごかったよ〜。1ページ目が面白かったので手に取ったんだけど最初から最後までずっと面白かった。どうしてこんなに色んな分野に精通されているんだ。十二国記シリーズを読んでいる時の途方も無い気持ちを思い出すよ。エレベータの扉が閉まる瞬間に壁にもたれて目を閉じる一瞬の休息、とかわかりすぎてぞっとする。

この方の書く百合の雰囲気が大好き。

シリーズがあと2冊出ているらしい。気になる。

読んだ:イデアの影

森博嗣 著(2015)

イデアの影 = The shadow of Ideas (中央公論新社): 2015|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

森博嗣って実はあんまり読んだことがない。スカイ・クロラシリーズとか10年以上気になってるのに。

装丁がとても綺麗。メリーゴーランドもバラも梟も内容と絡んでいて、読み終えてから表紙を見るとへえと思う。

 

読んでいてどんどん不安になる文章で良かった。精神を病んでいる女性の描写がうまい。

引用されていた谷崎潤一郎の『細雪』を実は読んだことがないので、読んでみたいと思う。

読んだ:文字渦

円城塔 著(2018)

文字渦 (新潮社): 2018|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

自分の原稿が終わったので、味の濃い商業小説を読むか! と思って円城塔。早々に部首が発光していてさすがの良さだった。なんでこんなこと思いつくんだろうなあ。「闘字」とか。

境部さんの造形が(あるいは「みのり」が)好きそうなフォロワーさんが何人か思いつく。

「梅枝」(p99)から引用する。

ところでもちろん、「御法」を写すには、テキストと書記系の強い|結合《カップリング》が必要となる。この場合、悲しい場面を写すときには筆が乱れるべきなのだ。つまり、機械としての「みのり」は、源氏物語の内容を理解しつつ、涙を流し、手を震わせながら文字を書かねばならない。これはもう、控えめにみても高度人工知能と呼んで構わないのではないか。外見は無骨な「みのり」だが、繊細な心を備えている。脳神経の塊や、ニューラルネットワークに心なるものが宿るとするなら。

「種字」の三葉結び目のくだり、くずし字をちょっとかじっていてよかった~となった。

あと、「誤字」、本文の端を走り回る今剣に惑わされないように高速で眼球を上下させるはめになった。楽しかった。

この解説がよかった。

 

個人的には川端康成文学賞なのがオチって感じで良かった。

労働と提供

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第10日目の記事です。

前回はnoteに書いた記事の振り返りをしました。

今日は、書いたもの繋がりで、労働の話をします。週末なのでサラッと行くぞ(行くぞ!)。

記事を書いた時の話

先日、仕事で、外部の人が読む用のちょっとした記事を書いた*1。取りまとめの同僚が『早くて質が高い』と言ってくれた*2。それが嬉しかった。

なんでそうできたんだろう。同種の書き物を、頻繁にやっているわけではない。だから仕事経験由来ではなさそう。もしかすると、noteで書くのが練習になっていたのかもしれない。不特定多数向けに、何かを説明する文章*3

人の熱を言葉にする

アドベントカレンダーに対していただいたマシュマロで、私の「提供」って何なのか、ご質問をいただいた(ありがとうございます)。私は、目の前にいる人だけでなく、知らない人を含めて、より多くの人の役に立ちたい、という気持ちがあることに改めて気がついた。そういえば転職したのもそんな理由だった*4

文章が書ければ。

私の身体がないところにだって届いてくれる、文章が書ければ。「今」だけでなく、未来にも変わらず発動してくれる、文章が書ければ。

もっと多くの人に。知らない人にだって。届けることができるのに。

ただ、私自身には「これを突き詰めて書きたい」って熱量がない。書くのは好きだけど*5*6。だから、他人の情熱を文章に出力するお手伝いができたらいいなあと思っている。読みやすい文章で、見やすい体裁で。より多くの人に届くように、理解してもらえるように。

自分の熱を言葉にする

二次創作小説は、私の中に書きたいものが明確にある。よく言っている通り、自分の「なんで?」について書いて、同じ悩みがある人の参考になったらいいなと思っている部分がある。

私が小説を書くのは、主に推しについて「これはどうしてだろう」「こういう状況になったら、どうするんだろう」といった疑問がある時が多いです。疑問について考え、答えが出た時、小説の形にまとめています

わざわざ小説にする理由は、

・メインの理由:考えたことをすぐ忘れるので記録しておきたい
・「わかった!」という嬉しい勢いのままに書いちゃう
もしも同じ疑問で悩んでいる人がいたら、その方のご参考になるかもしれない

などがあります。最後のについて、もしも、私の答えがあなたにピタッと嵌まってお気に召したなら、一つの説として採用していただけばいいと思います。まあ、全部が受け入れられることは稀だと思いますので、考え方の一部分など、どこか参考にできるところがあれば、というくらいの気持ちです。

私が同人誌の奥付にマシュマロではなくgoogle formのQRコードを貼っている理由|u_u_c|note

自記事の引用。

書くことで役に立つ

公私問わず、書くことで役に立てたらいいなあと思っているんですね。そういう意味では、それなりに「提供」してきた一年だった気がする。公私ともに。

書くこと以外の「提供」についても、アドベントカレンダーのどこかで触れられたらと思います*7

 

今日もお付き合いありがとうございました!

もう12月12日、アドベントカレンダーはそろそろ折り返しです*8最初のリスト全然終えてないけど大丈夫か。その時書きたいこと書けばいっか。

何か気になることなどあればお気軽にどうぞ!

*1:あんまり細かく説明できず、申し訳ない。

*2:早かったのはたまたま手が空いてたからでもある。

*3:何が役に立つかわからんものだ。

*4:他にも理由はあったけれど、「目の前にたまたま来た人しか相手にできない」のがもどかしかったのは確か……だと思う。

*5:だから、職業としては、研究者にも物書きにもなっていない。これからもなれないであろう。

*6:それでも、同人二次創作小説を書きながら、人から「物書きをしているのか」と訊かれると嬉しいの、これも未練なのかなあと思ったりする。言われること自体は本当に嬉しくてありがたいんですけど。

*7:書けるかな……?

*8:私はたいがい25日までやっています。

note記事から見る「提供」

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第9日目の記事です。

昨日は、私が作ってる妊活短歌っていったい誰が読めて、そしてわかってくれるんだろうねという話をしました。

今日はもっと幅広く役に立つ話をします(古語じゃなく)。

u_u_cのnoteを振り返る

noteというプラットフォームについて

note.com

もとは観劇記録のために作ったnoteがある*1

noteって、おすすめ記事をサジェストされる頻度が高い。記事一つを読み切ると、その下に、「こちらもおすすめ」として、他のクリエイター(noteではユーザーのことを「クリエイター」と呼ぶ)の記事を12個も出してくれる*2*3

もともと私をフォローしていない人でも、私の記事が目に触れる機会がある。それで、「誰かの役に立ちそうな話」については、noteに入れることが多くなった。

アクセスの多かった記事

noteには、自分の記事へのアクセス状況をチェックできる、「ダッシュボード」という機能がある。特定の期間(週、月、年)ごとに、閲覧数やスキ数を見られるものだ。

note.com

私のダッシュボードを「年」で確認して、アクセス数やスキ数の多かったやつを振り返りたいと思う。全部で8つの記事を取り上げます。

Celes推し活(推しイメージ香水)オーダーの話

閲覧数ぶっちぎり1位はこれ*4

note.com

Celes推し活、という、オンライン香水ショップによる推しイメージ香水のオーダーが流行った。推しについて文章で説明を送り、イメージに合う香水を一つ選んでもらう、というものである。

香水オーダーにあたり、「何書いたらいいの!?」と悩んで、先人たちのレポを探した。レポを拝見する中で、オーダー内容の箇条書きよりも全文を見せてもらったほうが私はイメージを付けやすいなあと思い、後続の参考になればと、自分のオーダー文章をほぼ全部出したのが、この記事。

実際に「これが頼りだ」みたいな反応をいただいたことがあって、よかったなと思いました。でも私みたいな破廉恥長文にしなくても全然大丈夫だと思う。私は反省している。

 

そして、推しイメージ香水に関連する記事(閲覧数4位)。

note.com

推しイメージ香水を開封する時、一人では正気でいられないと思ったので、もくり通話を開いた。そこにいらしてくださったツイッターの縁者さんからいただいた、たいへん示唆に富んだお話と、香水の香りのダブルパンチで、ウオアァァとなっているうちになぜか小説が書かれ、なぜか本になった。この本は、私がこれまで作った中でも「狂気の偏執賞」をあげたいくらいの仕様で、とても気に入っている。

このレポ記事については、「私も見習わなければ」系の反応をいただくことがあり、面白かった*5

なお、本の仕様や制作方法はこちらの記事 これぞという紙とインクで、手のひらサイズのコピー本を作る|u_u_c|note に詳しい。印刷会社さんにA4ペライチに印刷してもらって、自分でカットして製本し、香り付けをした。非常に楽しかった。

創作・同人誌制作について

閲覧数2位はこちら。

note.com

これが伸びた原因は明確。創作おTipsさんがツイートしてくださったからである*6

創作おTips

創作おTipsさんは、創作(主に文章)に関するお役立ち記事を書かれたり、フォロワーさんからの質問に答えたりされている方。上記私の記事の「スイカや水」のパートは、記事の本筋からは離れているんだけど、私にとってはそこが大事*7、というところだった。あえてそこに言及されるの、さすが書き手のツボをよくわかってらっしゃる……と深く感心したのでした。

「この記事を読んでgoogle formを設置しました」という方もいらっしゃったし、スイカと水わかる、とおっしゃってくださった方もいらした。初めてnoteにコメントをいただいたのもこの記事。色々と思い出深い。

 

閲覧数3位はこちら。

note.com

ちょうど1年前の記事。今でも時々スキが増えたり、ツイートしたりされる。おそらく、読者さんが通販で発送が必要な時に読まれている。

記事内にも書いているけど、私があんしんBOOTHパックを使うときに、詳細なレポ記事(【2021年版】あんしんBOOTHパックを使った通販方法の覚書※ヤマト営業所の場合のみ - シンクのかたすみ)にとても助けられた*8

私の記事は、上記先人のレポ記事とは違うやり方をした部分があったので作りました(QRコードを印刷するところ)。

読んでくださった方から、「助かった」系の反応をいただくことが何度かあり、よかった~となった。送るものが多いとQRコード出すのウワアアアってなるんだよね。スクショしておいてもどこまで読み込んだかわかんなくなるし*9

 

閲覧数第5位はこれ。

note.com

印刷会社プリントオンさんには、小説本文を送るだけで、表紙のデザインも紙も特殊加工もおまかせで作ってくれるセットがある。その「わくわくドキドキデザインセット」を依頼した時のレポ。

私もこのセットを使うときに、「本当にお願いしていいのか……?」と不安でレポを漁りまくったので、先人に続くべく書きました*10。これもオーダー文章を丸々出しています。

 

他、閲覧数ランクはベスト5外でも、反応いただいたなあと思う記事3つ。

note.com

これは友人からもらった要求仕様書が面白すぎた、ほぼ出オチ記事。「楽しそう」って反応をいくつかいただきました。そうでしょうそうでしょう。本気でふざけるの、楽しい遊びですよ。

 

note.com

夏にツイッターの縁者さんたちと遊んだ、オンライン推しすごろく大会の記録。これもめっちゃ楽しかった遊びなので、関心ある方が遊びやすくなれば、と書いたやつです。推しすごろく大会はいいぞ。ご参加ありがとうございました。

 

note.com

この記事を褒めてもらえるのは嬉しい。文字起こし情報はついてないけどね*11

 

「役に立つ」ということ

こうしてnote記事を振り返ると、私が書いているのは、

  • 私が助けられた情報を、私も発信する
  • 私個人にとって必要な情報を、オープンな形で残しておく

という感じでしょうか。

「(不特定多数の人々に)助けてもらったので(不特定多数の)誰かを助け返す」、というのは、けっこう私の行動原理っぽい感じがします。奨学金を返すみたいな感じかなあ*12

noteというプラットフォームがなければ、こういう情報発信はしなかったかもしれない。ありがとうございます。

 

今日はこのあたりで終わります。note記事の振り返りができてよかった*13

このnote記事よかったよ、などあれば教えてもらえると作者が喜びます!

marshmallow-qa.com

*1:最初は観劇記録をpixivに上げていたのだが、なんか用途違うな、と思って移動した。

*2:これはいったいどんな思想で設計されているのだろうか。note公式記事の「noteの使い方、機能紹介」によると、『noteは、ニューヨークのような「街」を目指しています。そこは、ウォールストリートのような金融街、高級住宅街、中華街から劇場、自然あふれる大きな公園まで、あらゆる文化圏のひとたちが共生している場所。』とのことだった。色んな建物や遊び場がすぐ隣にある(アクセスを妨げられない)、というふうにしたいのであろうと推測する。

*3:どうでもいいが、前注のようなことをpixivとかがやろうとすると事故る気がする(同CPの似た雰囲気の作品が並ぶ、とかならいいけど)。目的に合った仕組みというのは大事ですね。

*4:2位の2倍以上の閲覧数が付いていた。時流に乗ると伸びるんだなあ……。

*5:推し香水を嗅いで正気を失っている人の様子を見るのはどんな様子であれ大好きです。

*6:この「お」は誤字ではない。お嬢様なので。

*7:私がなんで小説を書くのか、みたいな部分。

*8:……と、久しぶりにアクセスしたら2021年版にアップデートされている! やった! ヤマト営業所からあんしんBOOTHパックを発送される方はぜひ一度ご覧ください。細かい注意点も取り上げてくださるし、スクショも多くてわかりやすいです。

*9:そもそもpixivやpictSPACEさんが、QRコード印刷用画面とかを付けてくれたら、パワポ遊びをしなくて済むんですが……。要望出してみようかなと思いながらまだやっておりません。

*10:これの開封の儀の時にも縁者さんに通話を繋いでもらっていた。ありがとうございました。すぐ正気失うから……

*11:これも、同じく全文文字起こしをしていた縁者さんとの緊急通話会談により一通りの完成を見たもの。ありがとうございました。

*12:いただいたマシュマロへのお返事に片足を突っ込んでいますが、それについては追ってもっときちんとお返事しますね。

*13:そういえば、iPad買った後の話ができていなかった。それもどこかで書きます。ズ!!MのPV見たりYoutube見たりDMM動画で歌合を再生したりしています。大画面万歳。

心をなぐさむるは歌なり ③歌の宛先

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第8日目の記事です。

昨日は、つらさを言葉にしておくといいことがあり、歌にするのは楽しい、という話をしました。

今朝は寝坊しました。アドベントカレンダーを朝に書くという習慣だったのに……。というわけでざっくり行きます*1

御礼

昨日はマシュマロをお送りいただき、ありがとうございました! ありがたく拝読しております。一生懸命咀嚼しておりますので、お返事は追ってさせていただきますね。

このところのアドベントカレンダー、話題が話題なので、読みづらいかな〜と気になっていたのですが*2、反応があって、ほっとしました*3。ありがとうございます。

言語化好きな俺たち

いただいたマシュマロを読みながら、私のツイッターの縁者さんたち、「言葉にする」ことが好きな方が多いな、と改めて思いました。好きというか、関心をもっているというか。さすがあたいの縁者さん*4

どうして妊活短歌ジャンルが見当たらないのか

思考や感情の言語化が好きだったり、小説を書いたり歌や俳句を詠んだりする(私のツイッターの縁者さんのような)人たち、たぶん、少数派である。アドベント連句のアンケートで、現状、実に9割が「小説を書く」と回答してくれているが、これは非常に偏った分布と思われる*5

『妊活川柳はそれなりにあるが、妊活短歌が少ない』と、一昨日書いた。もしかして、そもそも短歌、相対的に人々に親しまれてない……? 新聞でも、毎日投書欄があるのは川柳だし……?*6

妊活ブログも妊活インスタも妊活noteもたくさんあるけれど、たぶん、たいがい、散文である。あんまり見たことないから、推測ですけれども。

私の周り、何かというと歌を詠む人が多いから*7、それがあまり一般的ではないことを忘れていた。

誰に届く歌

あと、既存の妊活短歌(または川柳)、とにかく口語が多い。私の歌、たまに古文だから*8、「あれ、もしかしてこれ、大概の人には、読めないのでは?」となった。

万人受けを狙っているわけじゃないし、短歌集を読んでくれたマイディアフレンドは「わかる……!!*9」って言ってくれたので、私はそれで満足である(一人から「めっちゃよかった」とリアクションを返してもらえるだけですっかり報われて幸せになるタイプの書き手)。

ただ、「もっといろんな人に読んでもらうべき!」とも言ってもらえて、嬉しかったんだけど、でも、そもそもこれ読んで意味わかる人って限られるな、とも思ったのであった。

だからどうする、ということもない。私は私の心のためにまだ歌を作っているし、今後もそうすると思う。ネットの海にも放流する。誰か、読んで、わかる(理解できる・共感できるのいずれも)と思ってくれる人がいるかもしれないし。いないかもしれないけど、少なくとも、後日の私の役には立つから*10

 

マシュマロ、お返事をお待たせしていてすみません! 追ってお返事いたします。また何かあったらお気軽にどうぞ!

*1:「ざっくり」とか「さらっと」とか、言う通りになる方が稀。

*2:かといって、話題を変えたりしないんですけど……。食べられるところだけ食べてくださいまし……

*3:記事投稿ツイートにいいねをくださる方々についても、いつもありがとうございます。励みになりますm(_ _)m

*4:話が逸れるが、マシュマロを設置して数年、毒とか焦げとかが届いたためしがない(AIが弾いていてわからないだけなのかもしれないが、それでも、「AIを掻い潜るぞ」という悪意がないことは喜ばしい。)。ありがとうございます。

*5:まだ表に出してない。

*6:まあ、時事ネタをやるのに短歌は長すぎるかもしれない。

*7:推しの出る舞台が開幕したとか、小説新刊の扉に配置するとか、そもそも歌集を出しているとか……

*8:私の古文文法の知識は大学受験時でアップデートが止まり、年々虫食いになる一方である。とても胸を張れるものではない(参考:推しが背負う和歌を読みたい理系研究員の審神者が、1日でくずし字を解読した話 - 単品と単品

*9:これは「共感する」の意味であって、「読める、読めるぞ」みたいな意味ではない。

*10:なんか、「問わず語り」を思い出したな(ミュージカル刀剣乱舞 東京心覚の劇中歌です)。

心をなぐさむるは歌なり ②つらさから歌を錬成する

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第7日目の記事です。

昨日は妊活短歌の話の導入をやりました。つらさを歌にすると自他の役に立つかもしれない、ということね。

今日は、実際に詠んでみての話をします。

つらさを言葉にするということ

短歌から少し話が逸れて。

先日、友人と、『つらいことがあったとき、そのつらさをつぶさに言葉にすることで、つらさが増すのではないか』という話になりました。それは、『つらさを言葉にしない(例えば、ただ「つらい」などと言う)場合は、つらさが深掘りされず、曖昧なままになる』ということと一体の考え方でした。

私は逆の考え方だな、と思いました*1

【追記】
なお、こちらのマイディアフレンド*2も私同様、「つらさを言葉にする派閥」だと思います。ただ、その過程を(おそらく私よりも)つらいと感じるらしく、「言葉にしない人たちは楽なんじゃないか」、という問題提起であったようです*3。私は考えたことのなかった視点で、なるほどなあと思いました。結局、私もマイディアフレンドも、つらさを言語化しない当事者ではないので、実際に、つらさを全く言葉にしない(意図してそうしている)派閥の人のご意見を聞いてみたいところです。
【追記ここまで】

つらさを言葉にしないでいると、そのつらさについて考えることができない。そのつらさはどんなもので、何が原因で、どうしたら対処できるのかも、わからない。つらさを深掘りする最中はつらいかもしれないけれど、言葉にすることで、つらさに対する理解を深め、つらさの正体に近づくことができる。それは、漠然としたつらさをただ抱えているよりも、希望あることだと思う。正体がわかれば対応策を考えられるから。

私の作文におけるつらさへの対応

上記の「つらさを明らかにして、その後の対応を考える」という態度は、私の作文*4でも同様に見られることに、後で気づいた。

「あなたのつらいところはこういうところですね? じゃあこれからどうします?(つらいところをグリグリと踏みながら)」という態度……*5

つらさを歌にする

妊活短歌の話に戻る。

つらいことがあったとき、それを言葉にしておくことで、自分のつらさを知り対応策を考える、というのはわかった*6。それならば、日記にしたためようが*7、小説仕立てにしようが、構わなかったはずである。だけど、なぜか、短歌になった。

なぜだろう。

  • 川野さんの歌の影響(昨日書いた通り)
  • 57577につらさを入れようとすると、散文にしたためようとするときよりもドラスティックな切り分けができる*8
  • 文字数や文体やかなづかいやら、考えることが多く、気が紛れる
  • よい歌ができたと感じられると、それだけで嬉しい*9
  • 歌は暗記可能である。同様のつらさに襲われた時、心から取り出してお守りのように握りしめておくことができる

短歌を作るのは楽しい。楽しいし便利だ。つらいことを分解して言葉を与える営みが「楽しい」ことは、それだけで大きな救いだと思う*10

短歌集を作って

詠んだ歌をまとめて本にして、文フリに出した。最初の一冊を夫に献本した(私の妊活短歌を読んでもらったのはこれが初めてだった*11)り、信頼できる友人たちに読んでもらったりして、さまざまなフィードバックをもらった。それは私にとって良い体験だった。

読んでもらえるだけで嬉しいし、何かを感じてもらえるのも嬉しい。

つらさを言葉にするのをやめない

やっぱり私は、つらいと思うことをなんとか言葉にしておいた方が、私のためだなあと思う。もしかすると、その言葉が、他の誰かの役に立つかもしれないし。立たなくたって、私の役には立つし。

 

アドベントカレンダーへのご意見・ご感想はこちらまで。

*1:あなたはどうでしょうか?

*2:尋常でなく聡明で気配りができ、かつ苛烈、という芸術的なバランスを誇るワンオブザベストフレンド。大好き。

*3:もしもつらさを全く言葉にしない人であったなら、「つらさを言葉にする人は、つらいのではないか」という発想には至らないような気もする。

*4:主に、二次創作小説を書く行為を指す。

*5:つらいとこを踏みつけられてめっちゃつらい、というところからの立ち直りにそのひとの本質が出る、という思想があるっぽい。私は「お前は一体なんなわけ?」という動機で作文をしがちである。なんなわけ、というのを知るために、地雷を踏んでもらってから癒えてもらう、という過程が取られがちになる。人を選ぶ作文ですね。いつもありがとうございます。

*6:関係ないけど、私がタロットカードで3枚引きする時、だいたい「現状」「成り行きの未来」「対応策」で引く(「過去」「現在」「未来」で引く人もいるらしい)。

*7:あるいは、非公開ブログに綴ろうが、

*8:切り刻んで本質だけを取り出さないと、歌の枠に入ってくれない。

*9:つらさ散文を書き切っても、嬉しい、という気持ちにはなりにくい。ややスッキリはするかもしれないが、マイナスをゼロにする程度のものである。

*10:つらさから短歌を錬成しているわけだ(理解、分解、再構築)。

*11:妊活はひとりの問題ではない。私が詠んだ私の歌でも、その反対側には常に夫がいる。だから、事前に、このような内容の本を作りたいのだが頒布してもよいか、と訊いた。その時には一首も読んでなかった夫は即答で「いいよ」と言った。読まなくていいのかと確認したが、いい、とのことだった。私から創作を奪うと大変なことになるとよくわかっている人の態度である。しかし悪口を言い立てられているかもしれなかったのに、えらかったなあ。なお悪口は書いてない、つもり。

心をなぐさむるは歌なり ①妊活短歌というジャンル

これは2021年アドベントカレンダー「提供」第6日目の記事です。

昨日は、月経随伴症状調査フォームを作った話をしました*1

今日も挙児希望関連の話が続きます。しんどい時に詠む短歌の話。

妊活短歌というジャンル

「妊活短歌」っていうジャンル、絶対あるでしょと思ったが、あまり見当たらない。全くないというわけではない。けれど、「界隈」ってほどの広がりは見られないように思える。私の探し方が不適切なのかもしれないが。

Google検索の結果は私の記事(のとみのnote)が一番上に出てくる。Twitterだと最後にツイートされたのが2020年12月*2

「妊活川柳」の方がヒットが多い。数年前にはコンテストまで開かれている*3

ただ、私には、挙児希望を抱えて通院する中で生じるしんどさを(あるいはポジティブな気持ちも)、歌にすることが必要だった。パイオニアを気取れるほどの歴は、挙児希望のための治療にも、短歌にもないけど、歌を作った。「妊活短歌」とラベリングして、外に出す──専用のnoteを作ったり、本にして頒布したりする──ことにした。
一人で詠んでいたってよかったんだけど、外に出したのは、似たような思いをしている人の役に立つかもしれないという気持ちと、「いい加減、誰かが見てくれる(かもしれない)ところに置いておかないと、気がすまない」になってきたから、だったと思う。確か。

挙児希望関連でつらいことがあった時、それを人に話しづらい。だけど、一人で抱えていることもできない*4

それで、短歌にした。

つらさを言葉にすることについて

話がいったん逸れる。

川野芽生さんという歌人がいる*5歌集『Lilith』のひと、と言うと、ゆあれのTwitterフォロワーさんはわかる人もいらっしゃるかと思う。

かつて川野さんの短歌を読んで、当時抱えていたつらさが和らいだことがあった*6。それで、つらいことをうまく言葉にして残しておくのは、後々役に立つかも、っていう意識があったのかもしれない*7

 

と、ここまで書いて、だいぶ時間が経ってしまったので、いったん終わる。明日はこの続きができればと思います。

 

なにかあればこちらで!

*1:これはまあ、私から私への「提供」、ということになるだろうか。あとは以前友人と話している時に、生理がつらいというような話になって、このフォームの話題提供をしたこともあった。役に立てるのは嬉しい。

*2:その後妊娠できたのだといいなと思うが、単に飽きたのかもしれない。

*3:どうでもいいが、妊活と妊娠と出産を一つのコンテスト内で扱ってはいかんじゃろ、と思う。妊活中の人はよその妊婦や経産婦にダメージを受ける場合がある(私は今のところそれほどでもないので、当該の知人には安心してほしい)。不妊治療クリニックの中には「妊活中の人向けの施設なので、子連れはご遠慮ください」などとしているところもある。産科併設の婦人科で治療している人が、待合室に交ざる妊婦さんたちに対して様々な感情を持つ話もしばしばネットの海で見かける。

*4:『お前の配偶者は何をしているんだ』という向きもあるかもしれない。私がつらいとき、私はだいたい動転しており、つらいことを不必要に強調して言い立ててしまいがちになる。我が伴侶にそのようなことをすると、「とにかくなんとかしなければ」みたいなスイッチが入り、私に良かれと妊活の中断を提案されると予想される。でも、私が求めているのはそういうことではなく、つらさへの寄り添いであるため、妊活の中断を提案される展開は不毛である。しかも、誰もハッピーではない。それで避けている。とはいえ、「本当に無理、中断を要求する」という時にはそのように訴えて実際に中断したこともあるので、安心されたい。

*5:Twitterのホームに風船が飛んでる。お誕生日おめでとうございます。

*6:さからはぬもののみ佳しと聞きゐたり季節は樹々を塗り籠めに来し『Lilith』p123. とか、強ひられて嫁したるごとし 女〈をみな〉としてこの世へいたる閾〈しきみ〉越えにしとか。結婚の前だか直後だか、そういうタイミングで読んだのだと思う。

*7:私が「私怨作文」と呼んでいる二次創作小説も、たぶん同様の営みの一環なんだろう、と今朝思った。