榊原紘 著(左右社、2023)
ゆにここの推し短歌入門、受講はしていなかったけど気になっていた……! 本で手に取れてほんとうに嬉しい。ありがとうございます。
表紙でわかるけど、いろんなオタクがいるよねというのが、随所のイラストで感じられてとてもいい。自分が二次創作文章書き+たまに観劇という感じなので、それ以外のオタクもいっぱいいるよね……! と手を取って喜びたい気持ちになる。
以下は私のメモ。
最初に筆者の歴代推しが列挙されている。零崎人識は知っている! この本、読める……! と自信を得る。ガロさんもわかるよ。あ、今見ると西谷夕と木兎光太郎もわかる……!*1 なるほど、作者の方はこう、ガハハ!てでかく笑うパワフルなキャラクターがお好きですか? などと憶測を巡らせる。わたくしはあまり明るくありませんが、桜木花道とか煉獄さんとかそうじゃないですか。大場ななはちょっと系統が違うかもしれないが。言語化をする人を愛する気持ちは私にもある。
ああ!!! 読み返すと、序盤に出てくる作者の短歌、木兎さん歌だ!! わかるようになっている! やったあ! これが本を読み返す楽しみですよね。
p51の、「燻す」と「降ろす」の図、とてもわかる。かなり好き。自作だけど慶應甲府加州清光の
シンデレラ・ストーリーって言うんでしょぜんぶ振り捨てて駆けのぼってく
は「降ろす」だ。一文字則宗の
誰知るや月なき夜の芒野の尾花ひとふさ失はるるを
はギリギリ「燻す」かな。ダブルミーニング。
この本は、推し短歌、という視点でも十分楽しいのだけど、単に短歌入門としてもよく網羅されているなあと思いながら読みました。「動詞は一首に3つまで」とか、「助詞はできるだけ抜かない」とか(私も気をつけている)。
「慣用句を使わない」はい……! これはこの間記録した木下さんの『天才による凡人のための短歌教室』でも書かれていたと思う(「きらきらひからない」)。
職業詠、旅行詠、やってみたいよね、まだうまく取り組めてない……。
いちごつみ、楽しそうだよね……!
あと、他人と関わる、という点でも、ちゃんと書かれていてよいと思いました。「分からなさと向き合う」とか。
あと、そう、歌会の話! 歌会のことがしっかり書かれていて勉強になりました。歌会で言いがちだけど気をつけたい言い回しとか。最後には実際の歌会の様子が収録されていて、私もオタク友達と歌会、やりて~! になりました。
あと今回はワークの部分を飛ばしてしまったので、詠みたい推しができたらぜひワークをして歌を作りまくりたいなあと思います。