単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

憧れを追い、野に至る

これは2022年アドベントカレンダー「勝てない戦をする」第5日目の記事です。

 

昨日はYoutubeが便利だという話をしました*1。今日は、あったかいごはんの話をしたいと思ったのですが、その前振りの話で力尽きました。今日はキャンプの話です。

文系魔女、野に出る

この秋から、ひとりデイキャンプを始めた*2*3。野に出る(キャンプ遊びをする)ようになったことだけでも、インドア派の私にとっては「勝てない戦をする」感がある*4。せっかくなので、あったかいごはんの話をする前に、野に出るようになった経緯を書いておく*5*6

far from 娯楽

都内に暮らしていた頃は、様々な娯楽が近くにあった。ミュージカルを観に劇場に行くにも、即売会のためにビッグサイトや流通センターに行くにも、日本刀を観るために博物館・美術館に行くにも、駅まで10分くらい歩いて、電車に乗って、ちょっと乗り換えて、それで到着することができた。

けれども、ここに暮らしていると、そうはいかない。ミュージカルを観るにも、即売会に行くにも、飛行機往復+最低一泊の宿泊が前提になる*7

青江単騎は偉大だった

その点、ミュージカル刀剣乱舞にっかり青江単騎出陣*8の、全都道府県を巡る取り組みは、本当に画期的だったなあと思う。山口公演で見た、「地元の人がフラッと来てみました」みたいな感じがとても素敵で、よく覚えている*9
中でも、沖縄公演への感謝のツイートが印象的だったのだけれど*10、その気持ちに共感できるようになったようにも思う。そりゃあ近くまで来てくれたら嬉しいよ……。引っ越したことで思いがけず、(ミュ)江に関するありがたみを実感できるようなったのは嬉しいことだ。

思わず青江単騎の話を長くしてしまった。

話を戻すと、地理的な要因から従来の趣味*11がしづらくなったので、新しい趣味がほしかった。特に、近場で楽しめるやつが。それでデイキャンプを始めたのだけれど、登山でもバドミントンでもなく、デイキャンプに至った話を書いておく*12*13*14

①1回だけ行ったキャンプが楽しかった

昔、1回だけ、友人たちとキャンプに行ったことがあった。最初から立ててあるテントに泊まる、お手軽なやつだ。もちろんバーベキューグリルなんかもセッティングされていて、手ぶらで行ける。
カヌー体験をしたり、釣り堀で釣りをして、釣った魚を焼いて食べたり、温泉施設でお風呂に入ったりと、けっこう動き回った。それが意外と楽しかったのだ。単に友達と遊ぶのが楽しかったのか、キャンプが楽しかったのか、判断が難しいところではあるが、私の中では「キャンプ、割と楽しい」にカウントされた。

②家の外で原稿がしたい

そして、原稿である。

私は在宅勤務をしている。自室の半分を仕事ゾーン、半分をプライベートゾーンにして*15

自分の部屋があるのはありがたい。前居では、衝立を設けたとはいえパブリックスペースの隅で仕事をしており*16、しかも同じ机にプライベートPCを置いていたので、労働をも原稿も同じ環境でしていた。自宅の中に、腰を据えて仕事に取り組めるゾーンがあるのはありがたいことなのだが、その公私混同がけっこうしんどかった。だから、今の家でゾーンを分けられただけでも本当にありがたいのだ。

けれど、やはり、同じ部屋なので、クローゼットで遊んでいても息が詰まることがある。それで、家の外で原稿がしたいなあと思うようになった。幸い、いいカフェが近所に見つかったので、執筆や校正の時に使っている。スープとサンドイッチが美味しいし、Wi-fiも使わせてもらえるし、明るくて静かな雰囲気も好きだ。作業が捗る。

それでも飽き足らなくなって、原稿合宿がしたい、と思うようになってきた。引っ越す前には、原稿のためにホテルに行くことがあった*17。けれども、今は近くにホテルがない。町中に出ればホテルはあるのだが、なんとなく、原稿作業のために、人の多い場所に移動するのは気が引ける*18。だから、ホテル原稿、という私のカードは切れない。

好きな時に原稿合宿がしたい。都合のいい宿が欲しい。

③キャンプ場に事欠かない

そんな折に、ちょうど連休を取れることになった。せっかくだから何か(新しい・大掛かりなことを)しようかな、と思い、近くの宿を調べていた*19。すると、キャンプ場併設の宿があることに気がついた。と、それが直接のきっかけで、初めての「デイキャンプ」をやることになったのだった。
それからのことは、noteに書いている通りである。

 

ここまで書いて、いったん記事作成から離れた。その間に、思い出したことがあった。一回だけ行ったキャンプ場で見た、知らないお兄さんのことを。

①' 憧れ野行お兄さん

友人たちと、キャンプに行った時。

私たちの大きいテントの近くに、小さなソロテントを張った、お兄さんがいた。お兄さんはひとりで、テントの前に出した椅子に座って、ずっと本を読んでいた。

それを見た私は、「え……! あれかっこいい……楽しそう……!」と、思った*20

その憧れの気持ちが、ずっと私の心の底に生きていて、水面の近くに上がってきた……のだろうと、いま思う。

「誰もがうっすら誰かの憧れ同人お姉さん」

誰もが誰かの憧れ同人お姉さん——という言説を、Twitterで見た(言い回しはうろ覚えです)。そうなんだよなあ。憧れを追いかけて、足を踏み出す。そしていつしか、自分の道を進んでゆくのだ。野外読書お兄さんに憧れた私が、野外原稿お姉さんになろうとしているように。

 

 

全然ごはんの話にならなかったよ! 明日まだそういう気分だったら、ごはんの話をします。

 

何かあればお気軽に!

wavebox.me

*1:そんなことは何年も前から人類の共通認識だったのかもしれないが、私は最近気付きました。

*2:この名称が微妙に長い。検索する時には、さらに「女性」という要素を入れたいときもある。何か適切な名称があってくれたらいいのだが。

*3:人に「デイキャンプを始めた」と言うと、家族と一緒にキャンプをやっていると思われるらしく、後からひとりで活動している旨を付け加えると驚かれる(n=2)。あなたはどうですか?

*4:(これは話のオチだと思っているので、注釈の中とはいえ最初に書くのはどうなのだろうかとは思うものの、アドベントカレンダーの最後まで書きそびれる可能性もあるので、書いてしまう:)結局、私にとって大事なのは「家の中にいること」よりも「(飽きず倦まずに)書き続けること」だったということらしくて、私としてはけっこう面白かった。

*5:これもnoteで書いたのだが、話の流れ上、触れさせていただきたい。恐縮。

*6:ただ、noteより長く書くので、書き下ろしがめっちゃある再録だと思っていただければ……。

*7:夜公演の観劇とかでなければ、時間的には日帰りも可能ではある。が、体力や精神的な余裕の面から、あまりやりたくない。

*8:つい正式名称を書いてしまった。

*9:下関だったので、福岡公演があればすぐ行ける土地のようにも思うのだが。

*10:探してみたが、当時どれを見て印象的だと思ったのかわからなくなってしまった。こちらのふせったーがそうかもしれない。

*11:趣味、というくくりにするのは気恥ずかしいのだが。なんだろう、「よくすること」くらいのこと?

*12:実は、山登りにも昔から関心がある。ただ、山を登っていると、原稿が書けない。あと、膝が弱いので、たぶん登山をすると膝がぶっこわれる。こんぴらさん参詣の石段で疼痛を生じて整形外科を受診したくらいの膝だからな……。

*13:デイキャンプをしていても原稿は書けていないのだが……。

*14:バドミントンは、土地のサークル活動を探しているときに見かけたやつ。知らない少人数の人の中に、しかも運動で入るというのが、私にはハードルが高かった。

*15:プライベートゾーンはクローゼットに作られている。クローゼットの扉を開くと、PCやプリンターや、お手紙道具があり、クローゼット下段に突っ込んでいるソファを引き出して、PCを使ったり、お手紙を書いたりする。

*16:窓際でものすごく寒かった。

*17:基本的にはデイユース。一回だけ、一泊してひとり原稿合宿にしたこともある。

*18:しかも、町中は道が混んでいるし、車線が多いし、空いている駐車場を探して駐車して、お金を払わなければならない。

*19:家の外に泊まって、連句感想アンソロのおまけカードを作ろうとしていた。

*20:確かそのお兄さんは、泊まらずに、デイでお帰りになった……気がする。