単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

愛の丸亀観光ツアー 推しの土地を愛する

これは2019年アドベントカレンダー「愛の観察ツアー(徒歩)」第23日目の記事です。

昨日は「羽田の電光掲示板を見て飛行機に飛び乗る」旅の話をしました。
香川県高松空港に飛んで、金刀比羅宮や丸亀を巡り瀬戸内海を眺める、楽しい一人旅をしてきました。

昨日の記事を書いて、思ったことを少し。

丸亀という土地

ニッカリ青江脇指

香川県丸亀市には、丸亀市立資料館があります。丸亀城の麓にある資料館です。
ここにはニッカリ青江脇指が所蔵されています(施設情報:文化施設:資料館 | 香川県 丸亀市)。
この刀の来歴について、詳細は省きます。
戦国時代、丸亀を治めていた京極氏の手に渡り、以来ほぼずっと丸亀にある刀です。*1

丸亀城とニッカリ青江脇指

ニッカリ青江脇指という刀には、「幽霊を切った」という伝承がありました。そこから、霊力のある刀として知られていました。また、切れ味の良い刀としても名のある刀でした*2
丸亀城には怪異が出ると言われていましたが、ニッカリ青江脇指をもつ京極氏が入城すると、怪異が止んだとも言われています。

丸亀とにっかり青江

遅ればせながら、ここで「ニッカリ青江脇指」は現実にある刀、「にっかり青江」はゲーム刀剣乱舞におけるキャラクターを指します。
2015年にゲーム刀剣乱舞がリリース。にっかり青江は最初期から実装されていました。
丸亀市では、ゲーム刀剣乱舞とコラボして、ニッカリ青江脇指を公開してくれました。

2015年


・キャラクター等身大パネル
・コラボグッズ
・書き下ろしイラスト

 

2017年 【丸亀城築城420周年】


・キャラクター等身大パネル
・コラボグッズ

 

2019年 【丸亀城石垣修復に向けて】


・キャラクター等身大パネル
・コラボグッズ
・書き下ろしイラスト!(令和カラー! ハバキに京極家の家紋!!*3

なお、少なくともゲームに実家されて以来、にっかり青江が丸亀の外で展示されたことはない、と思う。*4

丸亀とにっかり青江と私

私は、2015年と2017年の展示に行きました。

2015年

一人旅。それが初めての四国入りでした。高松行きの飛行機が濃霧で大阪に降りてしまい、「参拝者ではない」と心の中で必死に念を送りました*5
ニッカリ青江脇指はとにかく美しく、本物が目の前にあると思うだけで涙が浮かんでくるようでした。*6
刀剣男士の等身大パネルと一緒に写真を撮ったのも初めてでした。
丸亀では、丸亀城に登り、寶月堂さんで「ニッカリ青江」という期間限定のお菓子を買い、つづみさんで「ニッカリーうどん」をいただきました。

2017年

にっかり青江が好きという共通点で知り合った友人と、現地集合。*7
その人が、ニッカリ青江脇指を前に、熱心にメモを取っている(スケッチをしている?)のを見て、「すごい情熱だ!」と驚いたものです。私は、何を書きとめていいのかもわからなかった。*8
丸亀では、寶月堂さんでお菓子を買い、缶バッチガチャガチャを回し、青江イメージかき氷をいただき、名物かまどさんや甘月堂さんでお菓子を買い、つづみさんでおうどんをいただき、太助灯籠を見て、中津万象園でのんびりして、一鶴さんで骨付き鳥をいただいた後、買いすぎたお菓子を宿で食べました。

2019年

行かなかったんですよ!!!!!!
行きたかったけど!!!!!!!!!!!
日程や金銭面の都合で……行かない……ことを選んだ……。*9

“キャラクター”にっかり青江から、”刀剣”ニッカリ青江脇指へ

私は、ゲーム刀剣乱舞における「にっかり青江」が好きでした。
でも、刀の「ニッカリ青江脇指」を二度見て、刀自体も好きになった。
その拵からわかる京極家からの愛されように、
大きな鋒の雄大さに、
細やかで星が呼吸をしているかのような地金に、
淡く鋭く返る刃文に、
そして磨り上げられてなお奇跡のような均衡をもつ美しい姿に、
魅せられたなあ……と思うのです。
両国の刀剣博物館でも青江の刀が出ていて(ニッカリ青江脇指ではない)、「似てるな……」と思って嬉しくなったものね。

“刀剣”ニッカリ青江脇指から、丸亀という土地へ

丸亀に2度行った私は、丸亀自体が好きになっていました。
ニッカリ青江脇指を見て、丸亀のご飯を食べ、丸亀の景色を見て、友人と楽しく歩いて。楽しい思い出と一緒に、好きだという気持ちが染みついている。
平野で生まれ育った私には、海も山も珍しいんです。*10
丸亀には、ぽこぽことお茶碗を伏せたような山がたくさんあります*11。穏やかな瀬戸内海もある。いいなあ、と思うのです。丸亀の人もいい人だし*12

そうだ、そして、丸亀には城がある! お城があるってすごくいいなあ……と思います。城跡しかなかったの、地元には。
石垣を「美しい」と思ったのは丸亀城が初めてでした。*13*14

推しのいる土地

推しのいる土地は、訪ねるたびに特別になる。
友だちの家みたいにわくわくして、魂の回復ポイントみたいに心が清くなり、自本丸の飛び地みたいに寛げる。
そうして、業務で予定外の出張が入っても、「おおおおお大阪……大阪かあ……石切丸……うん……よし……行ける……行きます」となったりする*15

推しのいる土地もまた推しになる。

近頃は香川と青江どころか、四国と青江の区別もつかなくなってきた*16香川県しか行ったことがないからかもしれない。おすすめの四国情報を求む。

心の距離の近い土地があると、どこにいても、魂を休められる気がする。あの場所がある、と思うだけで。

丸亀の素敵スポット・中津万象園

たくさん撮った写真を全然出せてないな!!

待っていてください、今貼ります!!

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↑石灯籠!!


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↑紅葉が素敵。


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↑水〜〜〜!!!


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↑椿? も咲いていた。


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↑船着場。見るたび写真を撮ってしまう。


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↑苔(ふこふこの苔! 感動して小さい悲鳴を上げた。苔、好き……。)


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↑池に映り込む紅葉。


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象形文字、かわいい。「魚楽亭」。

 

中津万象園は、こぢんまりしたお庭です。
池を橋や飛び石で何度も渡れるし、小さなベンチがあちこちにあるし、立派な百本鳥居をもつ稲荷神社もあるし*17、小ぶりな滝もあります。
三百年の端正な松、並んで泳いでたまに飛び立つ鴨、そして泳ぐ蛇*18
座ったら立ち上がれないくらい気持ちいい椅子が並べられた休憩室もあります。
おすすめです……!!
丸亀駅から電車で一駅、讃岐塩屋駅から1キロメートルくらい歩く。

 

香川の素敵スポット・こんぴらさん

「すごい石段」としか知らずに行きましたが、とても清々しい素敵な場所でした! 不思議と、緑と水の気配がする。川や沢が見えるわけではないのだけれど、たっぷりの水分の気配が。好きだなあ……。

膝を鍛えてリベンジしたい。

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↑石灯籠を撮りがち。


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↑石灯籠を撮りがち2。


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↑排水口かな。水の気配が好きで撮ってしまう。


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↑立派な銀杏の絨毯!

 

膝を鍛えて行くのだよ! 下のお土産屋さんで杖を借りて行くのだよ!!

 

長々とお付き合いいただきありがとうございました!

*1:1900年代に丸亀から流出し、丸亀市が買い戻したらしい:にっかり青江 - Wikipedia

*2:『幽霊を切ったと思ったら、翌朝切れていたのは石灯籠だった。それきり幽霊は出なくなった』という話なので。

*3:ハバキ:刀身と鍔の間にある、金色のパーツ。ゲームのにっかり青江の刀のハバキは無印。今回は丸亀コラボということで、初めてハバキに平四つ目紋が……!! 実際に展示されるニッカリ青江脇指のハバキには付いているんですよ、この紋……。京極家で本当に愛されてきたんだなと感じます。ハバキだけじゃなくて、拵のそこここに、そんな細かいところまで? と思うくらいに、散らされているのです、この家紋……。

*4:多分ですが。

*5:刀剣を見るための遠征は、この丸亀訪問の数ヶ月前、大阪の石切劔箭神社で石切丸を見たのが最初でした。青江は2番目。

*6:その美しさをうまく言い表せず、感動を記録できないことに激しいもどかしさを覚えたものです。悔しさ、情けなさから、私はこの後「日本刀鑑賞ことはじめ」なる本を書きました。自分自身が、ひととおりの鑑賞ができるように。

*7:遠征先でフォロワーさんとお会いするのはこれが初めてでした。

*8:この経験もあり、私はのちに、「刀剣鑑賞メモ用紙」を作成しました。好きだと思ったところを残しておけるように。言葉にできなくても、書き残せるように。

*9:この時期、私は(石切丸極に対して荒ぶる我が心をおさめんがための)小説を書くため、取材で日光に行っていた。日光と香川は無理だ。体力的にも、経済的にも……。

*10:日本って海か山ばっかりのはずなんですが。

*11:「おにぎり山」と呼ばれている。「讃岐富士」と呼ばれる立派なフォルムの山もある。

*12:特に今回の旅で出会った、接客業の、男性陣! 穏やかな笑顔と柔らかな物腰、親しみやすくてあったかい雰囲気が共通していた。女性陣はぱきぱきとされている方が多い印象。青江、君の土地の人々は、素敵だね……。

*13:だから、台風で石垣が崩れてしまったのがとても悲しかった。石垣復元に関連したニッカリ青江脇指の展示は、なおさら行ってあげたかった……!!

*14:なお、「丸亀に行かないならば交通費が浮く、その金額を口座に振り込めばいいのでは」と思い、心ばかりお送りするなどして、私の気持ちの整理をつけた。

*15:これは石切劔箭神社に立ち寄らなくても発動する。

*16:さすがに無茶苦茶かもしれない。でも都内にある香川県アンテナショップは、瀬戸内仲間として愛媛県と合同だったりするし……。

*17:私は稲荷神社によくある立ち並ぶ鳥居がどうしても苦手でしたが、中津万象園の鳥居に「願いが『通る』『通った』の意味で鳥居が奉納される風習が生まれた」みたいな説明書きがあり、そうなのかと思って通ってみることができました……! それ以降、別のお庭で見たお稲荷さんにも参拝できたし、良い経験をさせてもらいました。

*18:泳ぐ蛇を初めて見た。えも言えぬ色っぽい泳ぎをするのね、蛇って……。