小野不由美 著
短編も面白い……(泣いてる)
何日かかけて読んだのでうろ覚えも多い。
今さらだけどすごいネタバレなので未読の方は気をつけてね。
冬栄
「魔性の子」と「黄昏の岸 暁の天」読んだ後にこれ読むと「泰麒……」ってなる。幼く無知ながら、一生懸命役目を果たそうとしている。可愛らしく、周囲から愛されている。
それがあんな……あんな……(絶句)
新作を楽しみにしています。
遠い国に派遣されることを喜べない泰麒が「いいことがありますよ」って言われているのを読んで、「帰ってきたら驍宗は失踪しているのでは!?」って心配だったけど、驍宗の近くに引っ越しがあったのね。喜ぶ泰麒が可愛かった。*1
麒麟と王様が補い合っているという話、良いなあと思った。
天が王を選ぶ。麒麟が天意を伝えて王を選ぶ。
麒麟が王にフィットするのは、天には初めから王がどんなものかわかっていて(誰なのかはともかく)、それに合わせた麒麟が生まれるってことなんだろうか?
不思議。
「図南の翼」読んだ時、恭麒? が気弱っぽいと書いてあった気がして、珠晶ちゃんと良いコンビになりそうだなと思ったのを思い出した。
あと、「黄昏の岸〜」で漣麟が、漣王のことを「放っておけない方なんですのよ」と話していたのが気になっていたんだけど、実際放っておけなさそうで大変良かった。
農業について考える機会が増えているので、それもまたありがたいこと。
乗月
これは最高に好き!!!!!
性癖に刺さる。
「月渓さんが本当は王様のこと好きなのでは……? 今も……好きなのでは……?」
と、慶の青さんが気がつく数行前に読者が察する、この速度感が本当に巧みで震える……。
読んでいる途中の微妙な違和感が、きちんと回収されるのは、快感ですね。この短編に限らないんだけど。
うまいんだなあ、お話が……。
解説を読むと、私がまだ読んでいない長編に関連しているとのこと。そちらも楽しみ。
書簡
「そうそうこういうネズミがいたわ!!」と思い出しました!!
「月の影〜」は数年前に読んだきりなんだけど、自分のことを「おいら」っていうネズミがいたわ。
向上心のある2人組、好き。
華胥
これも、途中で感じる違和感を、登場人物と同じ速度で回収できる感じが心憎い。
とても賢い青喜さんは何者なの? これも私が読んでいない話と繋がっているらしいので、知らない前提があるような気がする。
「十二国記」を読んでいると、国を治めるのも人間なんだなってことがひしひしと感じられるようになってきた。
上に立つ人間と、それを支える人間と。
人間がやってることだし、会社とかの組織と同じなのね。そういう実感のようなものが出てくるのは面白い。
帰山
利広って王族だったんだ!?
「図南の翼」に出てきた時、勝手に玉京の人かと思っていた。*2
国が傾くときの民の感じの話、本当なんだろうか。鬱々とした時期を過ぎると浮かれ始めるというような話。本当だとしたら、小野さんはどこでそれを知ったんだろう? 純粋に不思議。それとも考えたのかしら。
あともう一人の人、風漢さんがどこの誰なのか、これもまたどこかでわかるのかな。楽しみ。