単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱

高殿 円 著

 

実はシャーロック・ホームズシリーズを読んだことがない。

一度映画版を見に行ったけれど、途中でコンタクトレンズが外れてしまってそれどころではなかった。

 

本作は「性転換現パロシャーロック・ホームズ*1

シャーロック・ホームズのパロディ(こういうのを「パスティーシュ」と呼ぶらしい?)も初めて読んだと思う。

ミステリとして面白かった。ミステリを久しぶりに読んだ。

 

この本は東京レインボープライドのウェブサイト内記事で知りました。

tokyorainbowpride.com

*1:なお、Amazonの商品紹介には『女性化現代版ホームズ・パスティーシュ』とある。

読んだ:文京区の歴史 (1979年) (東京ふる里文庫〈23〉)

竹内 誠 著, 東京にふる里をつくる会

 

地誌、というものに興味がある。

いずれ育った土地のを読みたいなと思っているのだけど、手始めに文京区の資料を読んでみた。*1

けっこう面白かった! 知ってる地名とか、歩いたことある場所とかが出てくると興味を持って読めてよい。

  • 榎本武揚のお墓が文京区内にある。
  • 新江戸川公園はもともと細川家のものだったっぽい。
  • 文豪との縁が深い。
  • かねやすははじめ、歯磨き粉屋さんだったらしい。
  • そう遠くない昔は人もあまり住んでいない、荒れ地と畑の土地だったっぽい。

*1:育った土地を除いて二番目に縁ある土地なので、理解しやすそうで。

読んだ:図解 戦国の城がいちばんよくわかる本

西股総生

 

honto.jp

 

友人に「城が好き」と言う子がいて、それからちょっとだけ、城が気になっていた。

この本は、城といっても、有名なお城の解説があるわけではない。

戦国の城の作り方、その考え方、時代や戦い方の背景についてわかりやすく教えてくれる。最終的には、「縄張り図」(城の地図みたいなもの)の読み方まで教えてくれる!

 

著者たちの城への愛がすごいので、読んでいて楽しい。城を歩きながら、「自分たちが攻め込んでいたら、ここで撃たれたな」とか考えるらしい。登りきったら、「攻められる側だったら、どうやって守ろうか」と考えるらしい。

やりたい~~!!!

 

城、見に行きたいなあ、と思う本。

 

なお、暗渠の本と共通するなと思うんだけど、「昔確かにそこにあり、当時の人が何らかの手を加えたものが、昔のそのままの様子ではないけれど残っている。今自分が、あれやこれやと手を使い頭を使い、当時の様子を思い浮かべることができる」というのはなかなか良いね。

読んだ:暗渠マニアック!

吉村 生、高山 英男 著

 

www.kashiwashobo.co.jp

 

あまりにも良かった。推せる。これは推し。

 

「暗渠」ってなに?

「暗渠」は「あんきょ」と読みます。

多くの人と同じように*1、私がこの言葉を知ったのは、ALI PROJECTの「亡國覚醒カタルシス」の歌詞の中でした。

サビ前の、「あんきょへ~~~としたた~~~ってくしず~~~く~~~(暗渠へと滴ってく雫)」のとこね。

「暗渠」という言葉の意味はわかっていなかったけど、この曲を聞きすぎて、言葉だけが残っていた。

で、暗渠って何なの?

すみません、説明していませんでした。

著者の一人、髙山さんによる記事から引用。

mizbering.jp

小学館大辞泉」によると、「地下に埋設したり、ふたをかけたりした水路」とあります。ちなみに反対語は「開渠(かいきょ)」。ふつうに水面が見える川や水路を「開渠」といい、なんらかの手が加えられて水面が見えなくなってしまった川や水路が「暗渠」、というわけです。実はこの暗渠についてさらにきっちり定義・分類しようとするとまたいろいろあるわけなのですが、それはまた後日。ここでは、「今はもうなくなってしまったけれど、もともと川や水路であったところ」全てを「暗渠」と呼んで、話を前に進めていきましょう。

というわけで『今はもうなくなってしまったけれど、もともと川や水路であったところ』と理解すればよいでしょう。

川の上に蓋をしただけのものから、川を地中化して上を道路などにしているもの、道路どころかちょっとした緑地公園にしているものまでさまざまです。

この本の良いところ

タイプの違う暗渠マニアが2名で書いている

本業研究者さんと、本業マーケターさん。それぞれ、「一つの対象を様々な角度から掘り下げる」「全体を俯瞰して独特の事象に名前を付ける」といった、違うアプローチで暗渠を語ります。

どちらも面白い。

文章がうまい

そして、どちらも、文章がすごくうまい。研究者の方で、一般向けの読み物を面白く書けるというのは、けっこうすごいことのような気がする。*2

愛がすごい

愛がすごい。愛がすごくて感動した。

暗渠への興味

私はもともと水辺が好きだ。流れる水も、流れない水も好きだ。*3

だからたぶん暗渠も好きになっちゃうと思う。

*1:これは冗談です。

*2:医療分野では、「正しく書こう」とするあまり、難解な文章になってしまうパターンをよく見る。

*3:苔も好きだ。できるだけしっとりして、厚くふかふかのやつ。濃い緑色のやつ。たぶん、陸上の水辺みたいに思っているのだろう。

読んだ:全国「一の宮」めぐり 69の神社で、ふるさとの神さまに出会う旅

平凡社 太陽の地図帖024

監修 岡田莊司

www.heibonsha.co.jp

 

全国の一の宮の一つずつを紹介した本。

 

たまに大きい神社の鳥居の横に「国幣社」とか「官幣社」とか書いてあるのの意味がわからなかったんだけど、この本に解説があった。

(あまり参考にならない記憶では)国幣社国司がその地に任じられた際にお参りするところで、地元の有力神社とか、単に国府に近い神社とかがなる。

官幣社の方は地方官が管轄するところ。

 

一の宮、行ったことあるところ

書き出してみるとけっこうあるような気がする。

 

行きたいと思ったところ

利根川沿いにあるらしい、とても気になる。明治より前は、伊勢神宮鹿島神宮、そしてこの香取神宮だけが「神宮」と呼ばれていた、とある。

  •  大神神社(おおみわじんじゃ)(奈良・大和)

ここは前から行きたい。でっかい鳥居が見たい。

ここは知人が推していて気になっている。

ここも知人が推している。

それと、好きな小説「姫神さまに願いを」シリーズに出てくる武田勝頼様(つい様付けしてしまうけど武田氏贔屓というわけではない)のお母様が諏訪の巫女さん、という設定だったような気がする。勝頼様のこと好きだったから、もともと気になってはいた。

製鉄や鋳物を司っているとのこと。三条の刀が奉納されているとか。

祢々切丸様がらみ。

写真の、社殿の赤が緑に映えてとてもきれい。宇都宮二荒山神社の方には一度参拝したことがある。宇都宮市内なのにけっこうな石段を登ったので驚いた。

朱塗りの両部鳥居がすごくかっこいい。

  • 元伊勢 籠神社(もといせ このじんじゃ)(京都・丹後)

天橋立の北に位置している。本殿に五色の座玉(すえだま)(青、黄、赤、白、黒)があって、これは伊勢とここにしかないらしい。

宇摩志麻治命が祀られていて、ご神墓もあるらしい。

御祭神は鏡作神(かがみつくりのかみ)、鉱山や冶金の神とも言われることから、渡来系とされることも。

もう名前がかっこいい。伊弉諾が静まった土地に作られた神社。

奥殿の床下に涸れない泉があるらしく、龍神様が棲むとされ、誰も見られないらしい。私が初めて丸亀城に行った時、たくさん溜池が見えて、地元の人が「あんまり雨が降らないから溜めている」とお話されていたのを思い出した。こういう、自分の体験と神社の謂れが結びつく体験は他に代えがたい。

八咫鏡伊勢神宮御神体)の姉妹鏡が祀られているとのこと。

行きたい~~~!!! ここも「姫神さまに願いを」ゆかりの地。テン様が籠もられてたところでしょ!! 行きたい!!!

川のほとりにある神社。香取神宮と同じか。

  • 阿蘇神社(熊本・肥後)

蛍丸がらみ。

  • 海神神社(長崎・対馬

名前がかっこいい。たぶん私は大陸と縁のある神社に興味がある。

たぶん私は「緑と、赤い建物」に弱い。宇佐神宮に縁があるよう。

 

感想

行きたいところがたくさんあって幸せなことだ。

一の宮にご挨拶に行きたいのはなぜか

結婚式を挙げさせてもらう神社を探し回って、埼玉県の秩父神社に行った。

秩父神社には、裏手に「天神地祇社(てんしんちぎしゃ)」がある。ぜひ公式サイトで写真を見てもらいたいのですが、とても横に長い。

公式サイトより:

昔から境内に鎮座する天神地祇社は、全国の一之宮を中心として計75座の神々がお祀りされています。

http://www.chichibu-jinja.or.jp/keidai/

というわけで、これは神さまレジデンスなのである(と、私は理解した)。*1

「全国の一の宮の神さま方にご挨拶できるなんてありがたいわ」と思って、手を合わせようとお財布を出した時、お財布に付けていた鈴守りがちぎれて地面に落っこちてしまったのだった。

「なんて不吉な……」と思って悲しかった。だけど、後になって、知人さんたちから、「きっと鈴はお役目を果たしたんだよ」「あなたが背負っていた何かを肩代わりしてくれたんだ」と温かいお言葉をいただいた。

今は、「鈴さんは何らかの重たすぎる荷を背負ってくれていて、神さまレジデンスまで来て、『あとはお任せしました……!』とばかりにさよならしたのかなあ」と思っている。

そんで、結婚式は無事に挙げることができたし*2、いずれ、一の宮の神さまたちにはご挨拶に行かねばならないなあと思っているのであった。

 

 

*1:なんかこういうレジデンスは他の神社でも見たことがある気がする。島根の日御碕神社だったかな……? 別のところだったかも。そして秩父神社の中には摂社として日御碕神社がある。日御碕神社は日御碕神社で推しなんだけど、それはここでは書かない。日本の夜担当だそうで。エモい。

*2:秩父神社ではなかったけれど

読んだ:自分を休ませる練習 しなやかに生きるためのマインドフルネス

矢作直樹 著

https://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%82%92%E4%BC%91%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%8B%E7%B7%B4%E7%BF%92-%E3%81%97%E3%81%AA%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%AB%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B9-%E7%9F%A2%E4%BD%9C-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4866510366/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E8%87%AA%E5%88%86%E3%82%92%E4%BC%91%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%8B%E7%B7%B4%E7%BF%92&qid=1554638720&s=books&sr=1-1

 

前回読んだマインドフルネスの本がすごく良かったので、この本をタイトル借りした。

結果、これは高齢者向けの生き方標語本で、私が思っていたマインドフルネスの情報はほとんど載っていなかった。こういうのもあるんやな……。*1

実用的な(呼吸法とか)の本、一冊ちゃんとしたやつがまた読みたいなあ。というか、ヨガを習うのも良いかも。

*1:書いてある内容はちょっとスピリチュアルに寄っているように感じられ、容易には同意できない内容もあり。しかし著者の肩書が東大病院救急部の偉い人、みたいな感じなので、それで読むのがつらくない人もいるのかもなと思いました。

読んだ:苦海に生きる―日蓮 (仏教を生きる)

石川 教張 著

 

https://www.amazon.co.jp/%E8%8B%A6%E6%B5%B7%E3%81%AB%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E2%80%95%E6%97%A5%E8%93%AE-%E4%BB%8F%E6%95%99%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B-%E7%9F%B3%E5%B7%9D-%E6%95%99%E5%BC%B5/dp/4124901615

 

数珠丸恒次*1について書きたいけど、彼の思考がよくわからず、日蓮の本を読みました。

図書館で日蓮関連の本をこれしか見つけられなかった。

 

歴史学民族学、宗教学についての調査にあたって

これは脱線。

「文系」分野への参入

歴史学民俗学、宗教学などについて調べたいと思うことが増えた。これはひとえに、刀剣乱舞に関連して作文をしたいと思うことが増えたからだ。*2

私はもともと理系で、医療畑にいた。

医療の世界では、専門書といえば、最新のエビデンスに基づいた「事実」が書かれている事が多い。特に、教科書とかに指定される本であれば。もちろん、著者の立場やキャラクターにもよるけれど、そこにいわゆる「エビデンス」の観点があれば、「読む本によって勧められている治療が違う」ということはあまりないと思う(少なくとも、ガイドラインとかがあるし)。

「解釈」を学ぶにあたって

でも、こういった歴史や宗教とかの分野だと、そうはいかない。

「事実」とされることと、「解釈」されていることがあって、どちらかというと「解釈」の方に重きをおいている……ような感じがする。

そんで、「解釈」は筆者によって違う。筆者の立場、思想、キャラクター、諸々の要因で変わる。

だから、どの本を読むか、によって、書いてあることが違うことが容易にありうる。

まあ、世界は一つかもしれないけど、全員肉体があるから、物理的に「同じもの」を見ることが不可能なように、何かを調べても同じ解釈や理解に至ることの方が珍しいのかもしれない。

だけど、私みたいに、無難に作文がしたいだけの人にとっては、ちょっとハードルが高い。

先人の助けを借りる

今回は、宗教学に詳しい(?)知人たちが、いろいろとアドバイスをくださいました。ありがとうございます。

調べるときのキーワードとか、主流の研究者とかについて教えてもらえるだけで、すごくありがたいです。

本の感想

著者について

この本の著者については調べていないんだけど*3、たぶん日蓮宗推しなんじゃないだろうか。

私は日蓮に関する事実が知れればよかったのだけれど、「日蓮尊い」的な記述が多いので、適当に読み飛ばすのに神経を使った。

内容について

なぜかところどころ、現代日本の諸相について説いていたので、飛ばした。あと巻末の座談会も飛ばした。

日蓮の歴史についての記述を主に読みました。宗教の話をあんまり書くのは憚られるので、感想は少ない。数珠丸関連のことだけ。

  • 「法難は覚悟しています」、つまり「しんどいが生き延びる絶対」ってこと?
  • 「仏は見てくださっているのです」、本当にそのように思考しているのだなという気持ち
  • 実装前は風が吹けば折れそうだったけど、顕現してみたら一人でエベレスト登頂しそうだった、という誰かのツイートの重みが増す

総評

宗教の本を見つけるのは難しいので、人の助けが必要。今度は教えてもらったご本とかを参考にする。

たぶん、宗教の本を書く人は、その宗教を推したいから書くわけで、本がある時点で自教に偏っていることがすごく多いんだよね。ニュートラルかつ実力のある研究者を探すのは困難。勉強になりました。

*1:刀剣乱舞に出てくる刀剣男士。日蓮が所有していたとされる。

*2:「作文」というのは、私が何かを書くのに最も近いと思う言葉。小説でも、考察のスライドでも、私がやっているのは多分「作文」だと思う。テーマがあり、結論があり、そこに至るまでの検討と納得がある。

*3:悪いアプローチです。

読んだ:家族という病2

下重暁子

 

https://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%97%852-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%8B%E9%87%8D%E6%9A%81%E5%AD%90-ebook/dp/B01D1QTQJK/ref=la_B001I7T0HI_1_6?s=books&ie=UTF8&qid=1553953810&sr=1-6

 

「家族という病」に引き続いて、2も読んだ。

 

「家族だから」といって、自分に何かを強要してはいけないし、いわんや他人をや、という感じだった。信頼できる他人を探さねばならない。家族と呼ばれる間柄だろうが、そうでなかろうが。それは自分の責任で探して、関係をキープし続けなければならなくて、婚姻と出産からできる「家族」の方が形式上は簡単そうにも思える。

だけど、本当は、ちゃんと一人ひとりとして向き合いたいし、育みたいと思う。関係を。

読んだ:家族という病

下重暁子

 

www.amazon.co.jp

 

ずっと気になっていて、やっと読んだ。ベストタイミングである。

 

タイトルは強烈だけど、下重さんは「家族」を批判しているわけではない。

「家族」である前に(つまり、「母」「父」「子」などの役割人である前に)一個人であるということが忘れられがちで、ときにないがしろにすらされているのではないかという話をしているようだ。

一個人を、完全に理解するのはそもそも無理で、愛したり尊重したりを強制されるのはもっと無理である、というような話もしている。どれもよくわかると思う。

まず個人を理解したいなと、私も思う。

 

で、特にそうだなと思ったのが、(この本に書いてあったのか2に書いてあったのかもう忘れたけど)「血がつながっている家族より、思いの通じ合った方が家族」というようなことだった。血縁があるほどもめたときに醜い、血縁がなくても(たとえば養子でも)、信頼しあい寄り添いあえる関係性は築けるし、そちらが「家族」と呼ぶによりふさわしいんじゃないか。

 

私は生まれたときから一緒に育った「祖父」が、血縁のない人だった。

祖父だけ名字が違うなとは思っていたけれど、10歳位の時祖母に聞かされるまで、祖父が血縁上の祖父でないとは知らなかった。(これはけっこうアホなことかもしれないけど、まあ、気にしていなかったんだと思う。)

それでも、父も母も祖父を祖父として接していたし、私も完全に祖父だと思っていたから、血縁がないことがわかったことで信頼が損なわれるようなことは全然なかった。血の繋がった方の祖父に会いたいとも、もっとその人のことを知りたいとも思わなかった。

血がつながらなくても、名字が違っても、家族になることはできる。

私はそう信じているから、結婚して「名字が違うと家族の一体感がない」とか言われると猛烈に反発する。あたしのおじいちゃんはちゃんとあたしたちの家族だった。

 

それでよかったんだと思って、安心した本だった。

読んだ:イラストでときめく片づけの魔法

近藤麻理恵

 

www.amazon.co.jp

 

このあいだこんまりさんがアメリカでブーム、と聞いて思わず借りてきた。

これは片付けの理論本(既刊『人生がときめく片づけの魔法』『人生がときめく片づけの魔法2』)とは違い、片づけ方の図解がほとんどで、辞典本といった感じ。

こんまりさんの片づけメソッドについてはあまりよく知らず、「必要なものを残す」「それ以外は、ときめかないものを捨てる」としか認識していなかった。

実際は、「ときめくものを残す」と言ったほうが正しそうだった。細かいメソッドは本を読んでもらいたい。けっこう面白い。

 

パワーワードが多くて好きだった。こんまりさん推せる。

特に、右ページが文章、左ページがイラストとキャッチフレーズといった構成なんだけど、キャッチフレーズが良い。強い。

『☆ワンピースは攻撃力も防御力も最高レベルである。』すごくよい

『☆殿堂入りの本は誰が何といおうと残しておく。』心強い

好きなものを毅然として残し、それ以外を駆逐することによって、最高の空間で暮らすことが可能になり、最高の空間で暮らす人生は最高、という感じ。

 

あと、キャッチフレーズじゃないけど、扉ページに書いてある格言みたいなやつ。

『結局、捨てられない原因を突き詰めていくと、

 じつは二つしかありません。

 それは「過去に対する執着」と「未来に対する不安」。

 この二つだけです。

 

 今からでもけっして遅くはありません。

 片づけは、決意したそのときが、

 過去に片をつけ、未来への一歩を踏み出す

 人生の再スタートなのです。』

 

これマインドフルネスの本で読んだぞ!?

頭の中でもやもやすることは、過去への後悔と未来への不安だけだから、「今ここ」に集中することによって、頭がすっきりして、幸福感が上がるみたいな話だ!

こんまりメソッドはマインドフルネスだったんや!!

 

これはすごく良い感動だった。

ときめくものに囲まれて生きていきたいわ。

ただ、毎日シーツを替えようとか、毎日カバンの中身を空にしようとかの話も出てくるので、全部いきなり実行するのは難しいかもしれないけど……。

ときめいていられるものだけ買いたいな。

 

あと審神者に刺さりそうな格言。

『あなたのおうちにあるモノが、

 あなたのところにやってきたこと。

 そこには必ず意味があります。

 すべてのモノは、

 あなたの役に立ちたいと思っています。』

ああ~~~ありがとうこんまりさん……!