単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:暗渠マニアック!

吉村 生、高山 英男 著

 

www.kashiwashobo.co.jp

 

あまりにも良かった。推せる。これは推し。

 

「暗渠」ってなに?

「暗渠」は「あんきょ」と読みます。

多くの人と同じように*1、私がこの言葉を知ったのは、ALI PROJECTの「亡國覚醒カタルシス」の歌詞の中でした。

サビ前の、「あんきょへ~~~としたた~~~ってくしず~~~く~~~(暗渠へと滴ってく雫)」のとこね。

「暗渠」という言葉の意味はわかっていなかったけど、この曲を聞きすぎて、言葉だけが残っていた。

で、暗渠って何なの?

すみません、説明していませんでした。

著者の一人、髙山さんによる記事から引用。

mizbering.jp

小学館大辞泉」によると、「地下に埋設したり、ふたをかけたりした水路」とあります。ちなみに反対語は「開渠(かいきょ)」。ふつうに水面が見える川や水路を「開渠」といい、なんらかの手が加えられて水面が見えなくなってしまった川や水路が「暗渠」、というわけです。実はこの暗渠についてさらにきっちり定義・分類しようとするとまたいろいろあるわけなのですが、それはまた後日。ここでは、「今はもうなくなってしまったけれど、もともと川や水路であったところ」全てを「暗渠」と呼んで、話を前に進めていきましょう。

というわけで『今はもうなくなってしまったけれど、もともと川や水路であったところ』と理解すればよいでしょう。

川の上に蓋をしただけのものから、川を地中化して上を道路などにしているもの、道路どころかちょっとした緑地公園にしているものまでさまざまです。

この本の良いところ

タイプの違う暗渠マニアが2名で書いている

本業研究者さんと、本業マーケターさん。それぞれ、「一つの対象を様々な角度から掘り下げる」「全体を俯瞰して独特の事象に名前を付ける」といった、違うアプローチで暗渠を語ります。

どちらも面白い。

文章がうまい

そして、どちらも、文章がすごくうまい。研究者の方で、一般向けの読み物を面白く書けるというのは、けっこうすごいことのような気がする。*2

愛がすごい

愛がすごい。愛がすごくて感動した。

暗渠への興味

私はもともと水辺が好きだ。流れる水も、流れない水も好きだ。*3

だからたぶん暗渠も好きになっちゃうと思う。

*1:これは冗談です。

*2:医療分野では、「正しく書こう」とするあまり、難解な文章になってしまうパターンをよく見る。

*3:苔も好きだ。できるだけしっとりして、厚くふかふかのやつ。濃い緑色のやつ。たぶん、陸上の水辺みたいに思っているのだろう。