単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

詩にする

これは2022年アドベントカレンダー「勝てない戦をする」第11日目の記事です。

 

昨日は友達を作ったり、友達を続けたりする時の話をしました*1

今日はまた短歌の話をします。

ダサさを伐採する

短歌の話をすると言ったばかりですが、小説の話から入る。

小説を書いて、推敲している時に、「ダセえ!」と言いながら削ることがよくある。

これは、

  • 描写ではなくただの説明になっちゃっているところを、削って書き直している*2
  • ストレートに感情を書いているところを削って、客観的な表現に改めている*3

とかそういうことなのかな~と思っている。まだはっきりとはわかっていないです。いずれわかるときが来るのかもしれないし、ずっとわからないのかもしれない*4

ただ、私なりに、「これは(私が書く)小説じゃない」と思う基準がある、ということだと思われる。なんだかわからなくても。

詩として作る

一度、俵万智さんの講演を聞く機会があった。そこで、あの「サラダ記念日」の歌の話を聞いた。有名な話だろうけど、あの歌の元になった出来事は、「カレー味の唐揚げ」で、しかも、6月の話だった。それを短歌という詩にするにあたって、唐揚げはサラダになり、6月は7月になり(「し」と「さ」のs音が揃う)、カレー味は削除された、ということだった。私はその中で、「詩にする」という表現(うろ覚えですが……)が印象に残った。短歌って、詩なんだ……!

また、その講演の中で、「最も思い入れのある部分を削る」とも話されていた。もしかすると、サラダ記念日の歌における「カレー味」も、それだったのかもしれない。もし私が、誰かに自作のカレー味の唐揚げをいいねと言ってもらったら、カレー味のことは絶対歌に入れたくなると思う。でも、その味付けを抜いて作られた歌には、しっかり良さがある。そのエピソードに含まれる良さが、損なわれずに含まれている。

その歌に必要なかったもの

私も例会で、「ここは削ったほうがいい」と指摘されることがある。それは私が「これは削れないな」と勝手に思い込んでいた部分だったりもする。けれど、削ると、本当に歌としては良くなるのだ。ああ、俵万智さんがおっしゃっていたのはこういうことだったのか、と感心する。

それ以来、「これは削れない」と思ったら、疑うようにしている……とか言えたらいいのだけど、まだちゃんとできていない。精進。これ、使いこなせたらもっと楽しくなるだろうなあ*5

歌になる題材のこと

ところで、「これは歌にできる」「これはできない」っていう、題材への直感みたいなものがある。ある時、「これはぜひ歌にしてみたいけれど、歌として成立する題材なんだろうか……」と思いながら詠んでみたのを、やっぱりサマにならないなと思って、出すのをやめた歌があった。

その後、驚いたことに、同じ題材の歌が会誌に載っていた。私がうまくいかないなと思ったものを、その方はちゃんと歌にされていたのだ。すぐには真似できそうにはないのだけれど、今後の励みになった*6

60年先も歌えるか

二世代も上の先輩方が*7、毎月多くの歌を詠まれているのを見て、「そんなに詠んで、詠むことが尽きないのだろうか」と心配になったことがある*8

ところで、私は花に詳しくない。

先輩方の短歌には、知らない花の名前が出てくる。わんさか出てくる。それらを調べると、まったく知らなかったものもあるけれど、「見たことがあったあれは、そういう名前だったのか」とわかることも多い。それは割と、楽しいことだ。

自分が散歩などする中で、きれいな花を見ると、歌にしたいなと思うことがある。けれども名前がわからないから、調べるようになった。スマホアプリを使ったり、検索したり。花の名前を覚えると、その花はよく目に止まるようになって、ちょっと親しい気持ちになったりもする。

そんなふうにして過ごしていて、しみじみと思うのだけれど、一日として同じ日はない。言い古されたことだけれど、本当にそうなのだ。一度として、同じ季節もない。この春は去年の春とは違う春。だから、過ぎてゆくそれらをよく見ていればきっと、歌の種は尽きることがないのだ。たぶん、60年先でも。会に入って短歌をするようになったことで、それを知ることができたのは幸いだったと思う。

 

よし、今日は記事出せた。最初にメモした話題、だいぶ書けてきたみたい。まだ書いてないのは、二次創作の話……と、図書館の話かな。あ、うそついた、業の話も挙げてた。明日は何の話をしようかな*9

 

絵文字・メッセージありがとうございます!

wavebox.me

 

*1:大人になってから友達を作るのって難しいなと思うのですが、だからといって最初の20年くらいでできた友達で一生やっていくのもなかなかなんだよね。

*2:「説明ではなく描写する」というのはこの本にも書いてあったのだけれど、記録記事では触れていなかった。

*3:この話は、創作鑑定のくだりでよくした。

この記事(水煮さんの創作鑑定レポ──締切が近いのに恋の話が書けなさすぎてヘルプを頼んだ件|u_u_c|note)に書いた通り、私は感情をそのまま書きすぎると、そのくだりを外してしまいがち。

*4:どっちでもいいと思っています。推敲は楽しい。

*5:思い入れの強いパーツを自覚するのは難しいし、それを削るのはもっと難しい。でも、良い歌ができたと思えるときの嬉しい気持ちも好き。

*6:家の中に出没する虫(無駄な弁明をするが、ゴキブリではない)の話だった。その後、同じ題材で何首か作り足してみたけど、やっぱり、かなり自信がない。

*7:「お孫さんが私と同世代」という状態。

*8:むちゃくちゃ勝手な心配だ。

*9:薄々気づいてはいたが、最初に挙げた話題メモをそのまま記事にはせず、それを包含する上位階層の話題を探して記事にしていることが多い気がする。話題メモを建材扱いしている。