単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:自分ひとりの部屋

ヴァージニア・ウルフ
片山亜紀 訳(2015)平凡社ライブラリー

自分ひとりの部屋 (平凡社): 2015|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

これはお勧めしてもらって読んだ本。以前からヴァージニア・ウルフは読まないとな~と思っていて(今思い出したけど、ヴァージニア・ウルフって怪獣ペーパーに載ってた? あ、調べたら違うわ、『Lilith』で見たんだわ。参考:ヴァージニア・ウルフの住みし街に来てねむれり自分ひとりの部屋に 川野芽生 | 帚

私が短歌集*1*2世に出せたのはすごいことだったのだなあと思いました。

急にこの本とあんまり関係ない、というか、この間ヴァージニア・ウルフ「女性にとっての職業」の方を読んだときからぼんやり思っていた話をするんですが、たとえばSmash patriarchyと言ったところで、それが伴侶を否定したり傷つけたりすることだと思うとたちまち「あ、やめよう」と思うんですよね。

その代わり、お父さんを傷つけないでほしい、この結婚のことでお父さんに恥をかかせないでほしい――と懇願したのでした。首飾りか上等のペティコートをやるからと言い、目には涙が浮かんでいました。どうして父親に逆らえるでしょうか? どうして父親の心を打ち砕くことなんてできるでしょうか?

(p84-85)

本当にそうなんだよな。

そんな価値観に凝り固まっている方がかわいそう、ただしてやる他ない、という話もあると思う。でも私は■■■■で■■■■■■■*3を見て本当にやる気が失せてしまった。完全に無理。完全に降参。これは私の分が悪すぎる。私は勝てない戦をしたくないからな*4

あと、

それに、百年も経てば――と、わたしは思いました。ちょうど自分の家の玄関に着こうとしていました。もはや女性は保護してもらう性別ではなくなっているでしょう。論理的に考えれば、かつては阻まれていた活動と労苦のすべてに参加している、ということになりそうです。

(p72)

ここはごめんなさいと思いました。1929年からほぼ100年経ちますが、活動の全てに男性と同様に参加することはできていない。だけど、私が、挙児希望短歌を詠んでは外に出せているくらいには、自由になった。

そしてまた関係ない話をすると、「来年は『破滅する恋』について書こうかな」と思った時、「いや、既婚アラサーが来る日も来る日も『破滅する恋』について考えているのは危ないのではないか」と心配したんだけど、心の中のヴァージニアが「一人の部屋! 一人の部屋!」と一人部屋コールをしてくれたのが非常によかった*5

*1:妊活短歌集。

*2:夫の了解のもと、

*3:自主検閲により削除。

*4:これも全く関係ないが、私が自分の同人誌を知り合いに配らないのは、「自ら見つけて手に取ってくれた人にしか渡してやりたくない、読んでもらわなくていい」からであって、これもまた「勝てる戦しかしたくない」の変形なのであった。なるほどな~と思っちゃった、自分で。

*5:これは(「妻」としての)体面を気にするんじゃない、書くのだ、というような意味。