新井素子 著(2020)
久しぶりに厚い小説をいくつも借りて読んでいた。これはその一つ。
新井素子さん、実はあんまり読んだことがない。『いつか猫になる日まで』もまだ読んでない……と思う。『あたしの中の……』は読んだ気がする……たぶん。
そんな感じで、いまだに少女小説のイメージでいた。
だから、出てくる人たちが50代とか60代でびっくりした。語り口は完全にあの、新井素子さんだ、って感じの、口語で。
それでね~すごく面白かった。小説、面白い……、幸せだ……。
謎があって、謎が解けていくストーリーがまず面白くて、出てくるキャラクターが立っててそれぞれ魅力的なところがあって、扱っているトピックがここ何十年かの(女性活躍における)価値観の変転とその弊害(歪み?)とか、親の介護とか、安楽死とか、ちゃんと時流を汲んだその年代の課題というかホットな話で。
あと登場する女子中学生がしっかりしていてきゅんとする。
『いつか猫になる日まで』の方も読みたいなあと思いました。