左右社編集部 編(2016)
この本が出た時に読みたいなと思っていた。まさか4年も前とは。そのくらい後になって改めて読むことがあるのも不思議だ。
先月からゲーム『文豪とアルケミスト』をプレイし始めた(https://note.com/u_u_c/n/nbc0aa6c7e9b3)。文豪に興味が出て、図書館に本を借りに行った。図書館には入ってすぐのところに特集コーナーがある。ちょうど特集コーナーのテーマが文豪で、『〆切本』も並んでいた。目次を見ると私の好きな人が書いている。さらに別のページでは好きな人とその盟友氏の原稿が続きに配されている。ありがたすぎる。ゲームで見かける名前も多々並んでいる。嬉しい。それで借りた。
大変おもしろかった。表紙や表紙裏の短いキャッチフレーズも興味を惹き、それだけでおもしろい。
素晴らしい文章を書く人であっても〆切には苦しめられているというのがわかり安心した。なお今ちょうど『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読んでいる。それなので、『〆切本』のどこかにあった「最初にがんばってだいたい書き終える」のようなエピソードは、〆切を守り仕事をするにあたっては大変正しいアプローチと思う。
なお文アルをプレイし始めてすぐの頃に(りーちさんとばたさんをほぼセットで転生させたし)『〆切本』を読むと、本読みとしての感性と二次創作腐女子としての感性が混線して発火しどうしようもないことになる。そのへんの話はnoteに書きたいと思っている。2週間くらい前からこの混乱状態を書き残しておかねばとは思っているけれど、そんな早い時分に書いてもどの方面からも怒られる内容にしかならなそうだったのでやめていた*1。今思えば英断。*2
- p56 『然しかう云ふことを書いて何になるのか。これは只労働の記録に過ぎない。』(「書けない原稿」横光利一)真面目で誠実でかわいい……
- p182 川端さんは犬や小鳥が好き(「自著序跋」川端康成)
- p184 『川端だけは締め切り日にちやんと二十枚の論文を送つて来てくれた。かうちやんと来られてはこちらが彼の編集の時ずるずる延ばした無責任さが痛くなつて、もう少し遅く送つてくれた方が都合がよくなつて来た。』(「編集中記」横光利一)