単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:火星の人

ハヤカワ文庫SF(2014)

アンディ・ウィアー 著
小野田和子 訳

 

火星の人 (早川書房): 2014|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

私の好きなウェブライターのしんざきさんが、記事でおすすめされていたSF小説

 

映画「オデッセイ」の原作でもある(私は映画は見ていない)。

火星に取り残された一人の宇宙飛行士が、なんとかして1年以上生き延びる。火星で。

570ページ以上ある、分厚い文庫本だった。(使っている布製の文庫カバーが嵌めづらかったのでハヤカワか?と疑った。やはりハヤカワ文庫SFだった。)
SFだし(普段あまり読まない)読み切れるか心配だったのだけれど、読み出したら2日で読んでしまった*1。飛行機が離陸するときにも読んでてすごい臨場感だった。

主人公がしょうもないギャグを連発する明るいキャラクターで、作品の多くを占める一人称パートがとにかく面白い。体感としては、SFというよりも「コメディ(ものすごく知的な)」という感じだった。小難しい感じの話だったらとても読めなかっただろう、長すぎて。あと、絶対ハッピーエンドだなと信じていられたので非常に快適な読書体験だった。

宇宙飛行士は皆イカれていて、とても気高い、みたいなくだりとかすごくよかったな。なんにせよ、科学者が(魔法使いでもいい)自分の専門領域に誇りを持って何かをやるところが私は大好き。
ちょっとある恋愛要素も微量で、私にはいい具合だった。

 

面白い本に出会えてとても嬉しい。アドベントカレンダーに書いた「今年読んで面白かった本」リストに今からでも追記すべきかもしれない。(というか、すでに小説部門に『台所のラジオ』を入れ忘れそびれたことに気づいている)

 

*1:九州から関東の実家に帰省し、また九州に戻るまでの間に読んでしまった。行きの飛行機では寝ていたので、実質東京-地元間の列車往復と、帰りの飛行機待ち時間・機内で読んだことになる。