単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:この村にとどまる

マルコ・バルツァーノ 著
関口英子 訳
(新潮社、2024)

 

この村にとどまる (CREST BOOKS) | NDLサーチ | 国立国会図書館

 

途中まで読んで記録しようとした折、国立国会図書館サーチに、この本の評論記事が出てきた。

ebook.shinchosha.co.jp

気に留めていなかったけど、表紙の写真(一面の水があり、水面から、教会の尖塔のような一本の建造物が頭をのぞかせている)が実際の光景なのだとわかった。

しかし村から放たれた言葉に対して、村の外から送り返されるのは、同情的で親身な、言葉でしかなく、それだけでは目の前で進行する工事をとめられない。

「親身な」のあとに打たれた読点の効果、意味に打たれている。

 

この本、戦争の話で、今読むにはちょっと重たいな……と途中で止まっていたのだけれど、やはりもう少し読んでみたいと思う。

 

で、最後まで読んだ。

これは読んでよかった本! 言葉を信じて、言葉を紡ぎ、何度も燃やして……。最後に「言葉ではない表現」が出てくるのがすごくいいなと思った。

(今はもうない)美しい風景や、複雑な感情の描き方も素晴らしいと思う。この本を日本語に訳してもらえて嬉しい。

 

ちょうど台湾の本を読んだので、「A国のために戦ったら、B国の領土になっていた」話がよりしんどく感じられた。

 

いい本だった。