単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:瓢簞から人生

夏井いつき 著(2022)

瓢簞から人生 (小学館): 2022|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 

これは武雄市図書館で見かけて、読みたいなと思っていたもの。文アル書店フェアのときに買った。

もともと夏井先生はTwitter経由の匿名ツールからプロフェッショナルの特集をおすすめしてもらったことから入った……と思う*1。その番組がすごくよかったので、その後もちょっとプレバト!!を見たりした*2。この本を見た時は、短詩の方が書くエッセイってどんなだろう、とわくわくしながら読み*3、番組から伝わってきたお人柄そのままの、心地よいキレのある運び、でもしみじみとした湿度のある部分もあり、かつ湿っぽくなりすぎないという、さらっとしているのに巧みで素敵な文章だった。

よい本を読んだので、言いたいことがたくさんある。

  • 句会ライブ、行きて~! チケットぴあで買うのかしらん……?
  • p45「俳句の賞はグリコのおまけ」ほんとうに沁みる*4
  • p52-の「泪より」のエピソードがとても好きだ。自分のために作ったものが誰かの心にも響く、驚きや畏れを、私もちょっとだけ知っている*5
  • p227から、思いがけず、私が見た番組プロフェッショナルのことが書いてある。クルーたちのプロフェッショナルっぷりが知れてとても嬉しかった。そして、インタビューって難しいんだよなあと、橘ゼミの人のことや、私が仕事でちょっとだけやったインタビューのことを思い出した。事前にその人のことをよく調べるのはもちろん、最初からこうだと決めつけてはいけなくて、相手を知りたいっていう好奇心や敬意が要る……。

 

きっと読み返したら、他のところがぎゅっと胸に刺さるんだろうと思う。いい本を手にできてとても嬉しい。

*1:その節はありがとうございました。

*2:俳句、夏井先生が助詞を変えたり語順を変えたりするだけでガラッとよくなるのが本当に面白い!と思いながら、番組を見ていた。あとになって、(俳句じゃなくて短歌だけど)自分が歌会に出たり、冊子に歌を出すようになり、同じように先輩方から評を受けて「ここをいじるとこんな歌が良くなるのはおもしろい……! 自分で気づけないことを教えていただいてありがたい……! というか私の歌を見てコメントを寄せてくださることがただただ嬉しい……! そして自分自身でそれに気づけなかったのは、ちょっと悔しい……!」と思えるのも、この前体験があったからかもしれない。

*3:帯に三浦しをんの推薦文があったのもあり、かなり期待していた。

*4:冊子の選者n選に採っていただくことが続いていて、「どうしたら採ってもらえるのか(採ってもらえる歌が詠みたい)」と思うようになっていた。それは我ながらいやな思考だなあと思っており、それにぴったりはまる言葉!と嬉しかった。グリコのおまけ。俳句は自分のために作る。あと、事前に互選しておくタイプの歌会だとこれがもっと難しくて、どうしたらあの参加者に採ってもらえるのか……と最初から狙って作ったらいいのか、詠みたいものを詠んでいけばいいのか、かなり混乱している。圧勝……じゃなくてもいいから勝ちたい……と思いがち。ううむ。

*5:もちろん嬉しい気持ちもあるんだけど、びびる気持ちの方が大きいかもしれない。