短歌の作り方、教えてください (角川学芸出版): 2010|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
ものすごく面白かった。
- 人が短歌をだんだん作れるようになっていく過程が追える
- 「文通」を見せてもらえる嬉しさがある
- 一青さんの言語センスが独特で好き
- 思いがけず穂村弘さんが出てきたし、思いがけず本郷が舞台だった
- 一首の中に入れられる情報量の感覚がちょっとわかった気がする(「これは2首に分けるべきかも」というフレーズを目にしたことで、その感覚の芽生え)
- 「上の句は今はうまくできないからおいとこう、半年経って見つかるかもしれない」という「積極的放置(これは私が作っただけの言葉)」を知った*1
- よい指摘をもらうとグッと句が良くなるんだな……
これは語り的な情報が得意な人(たぶんエクとかエミの人)向けかなと思うけれど、私にはマッチした。
あと、読んだあとに考えたのだけれど、私は俳句や短歌は、句会や歌会で他人に改善を提案してもらったり「ここはよくわからなかった」と言われたりしてもあんまり凹まない、どころか素直にありがたいと思ったり反省したりできる。だけれども、どうして小説ではそれが苦手なのだろうか?(正確には、そういう状況になったことが、校正をしてもらう以外ではあまりない。が、そういう状況をそもそも避けているという点では「苦手」と言っていいと思う。)
どうしてなんだろう。
俳句や短歌は、技巧を使っているというか、「私」→(加工)→「作品」であって、「加工」の部分に物を言われてもあまり傷つかないし、ただありがたい、ということなのだろうか。ワンクッションある、というか。
それに比べて小説は、「私」→「作品」とダイレクトなのかなあ。作品についてなにか言われると、私自身を批判されているような気がしてしまうのかな。
Only your business, not your personality.*2
もっと頭を使って書いたほうがいいのか……? どうなのか……?
まあ、そもそも「上達」したいのか、という話もある……。これはちょっと私にとって深い話になってしまうなと思いました。まだ掘りきれない。でも、せっかく短歌を始めたので(ずっと始まっていた気もするが)、小説と短歌の私にとっての違いは意識していたいなと思う。