北村 薫, 宮部 みゆき 編
短編集を書いていて、そもそも短編ってなんだ、と思って読んだ。
オチもなにもないけどちゃんと作品だなと思って読めるものもあって、参考になりました。
以下は収録作品の一部。
冷たい仕事(黒井千次)
霜取りがわからず。でも男二人で夜中美しく大きい氷を剥がす、って雰囲気が好き。
隠し芸の男(城山三郎)
これは切ない話。終身雇用制度ってしんどいところもあるなと思いつつ。
少女架刑(吉村昭)
すごく美しい描写だった。生きている。解剖のシーンが読めなくてけっこう飛ばしてしまった。
少年探偵(戸板康二)
短編で、ちょっと謎解きがあって、でもエッセイなので別にオチがなくてもいい感じがする。利発な少年は良い。
誤訳(松本清張)
これはすごくうまいな!? と思いました。松本さんの書く話初めて読んだんじゃなかろうか。
鬼(円地文子)
女性の書き方がすごくお上手と思いました。向田邦子さんの『隣りの女』を読んだ時みたい。お話自体も好きな組み立て。