これは2022年アドベントカレンダー「勝てない戦をする」第15日目の記事です*1。
さっき図書館の話を書いたばかりなのですが、自信がない話、書けそうな気がしたので、急いで書きます! 今だ!
刀ミュの村雲江の話
突然ですが、ミュージカル刀剣乱舞の村雲江の話をする(リンク先はミュージカル刀剣乱舞のキャラクター紹介ではあるが、書いてある内容は刀剣乱舞-本丸通信-【公式】が村雲江実装時に投稿したものと同一)。
以下、東京心覚公演の内容に触れる。
村雲江は、江戸を守るために結界を張る行為のことを、「好きじゃない」と言った。「線なんて引くから、あっち側とこっち側に分かれちゃうんだ」と(うろ覚え……)*2。
私は、村雲江が、自分の苦手なことを明言するのを、好ましいと思った。そして、あれ?と思ったのだった。あれ、私、変わったみたい。
うちの平野の話
そしてまた突然、平野藤四郎の話をする。実は私は自分の本丸の平野と、あまり親しくできていない。そういう話が苦手な人や*3、平野が好きな人などは、このくだりを飛ばしたほうがいいかもしれない。
向いてない仕事と、審神者業
さらに飛んで、かつて私が働いていた職場の話になる。
私は本当にその職業に向いていなかった。友人に「誰もが君には向いていないと思った」とさえ言われた*4。人には、向いている仕事と向いていない仕事がある。それを学んだ数年間だった*5*6*7。
私が刀剣乱舞-ONLINE-を始めたのは、その職場に勤めていたときだった*8。
このくだりはご存知の方も多いと思うが*9、私はゲームを始めた当初、一軍の六振りしか育成していなかった。そのため初めての連隊戦で、新実装の髭切・膝丸を入手できなかった。その後から「顕現した子は全員カンスト」という育成方針に切り替えて、今までずっと続いている(もう7年になる)*10*11。
だから、私が平野藤四郎を編成に入れ始めたのは、彼がうちの本丸に顕現してから、半年か一年経った後だったのではないかと思う。
好きじゃないことを、好きじゃないと言いながら、あるいは言わずにやること
あらゆる男士を編成に入れ、組み直してレベリングをしていたので、隊長が入れ替わり立ち替わりしていた。平野を隊長にすると、開戦時にこう言う。『戦いは好みではないけれど、それがお役目ならば』と。
私はそれが苦手だった。
今なら、その理由がわかる。当時、私自身が、向いてない仕事をやっていたからだ。だから、自分の務めを「好みではない」とハッキリ言い切ってくる平野が、気になったのだろうと思う。「私もつらいのに。でも黙ってやっているのに」と、僻むような、恨むような気持ちだったのだろうと思う。平野には申し訳ないことをした。平野は何も悪くないのに。むしろ、好きじゃない仕事をさせているのは私の方だったのに*12。
できる人がやればいい
さて、現職に転職して、けっこうな年月が経った。ここでは、「できる人がやればいい」とされていることが多い。苦手なことに時間をかけるより、得意な人にサッとやってもらう方が効率的だし、互いに気持ちよく仕事ができる、みたいな価値観だと思う*13*14。
私も、人に、「これは得意ではないので、助けてほしい」と言うことがある。逆に人から、「これはあなたが得意ですよね、助けてもらえますか」と声をかけられることもある。それは「なんでもうまくやれなければ」というプレッシャーが少なくて、私には心地よい。
「好きじゃない」という表明
前職はどちらかというと、「なんでもうまくやれなければ」の環境だったと思う。もちろん、互いの得意分野で助け合うこともあった。けれど基本的には、まずは何でも屋になって独り立ちしなければいけなかった(と、思う)。
そういうシチュエーションに、私の「なんとなくうまくできそうな気がする」という性質と、「本当に向いてない仕事」が掛け合わされて、「なんでかわからないが、まったくうまくできない」という状況になっていたと思われる。
それが今は、前職よりかは得意な分野にいて、しかも「苦手なことは得意な人に」という環境にいる。心地よい。だからきっと今、村雲江が何かを「好きじゃない」と表明することを、肯定的に捉えられるのだろうと思う。私自身が、しなければいけない何かを、「好きじゃない」と言えるようになったから。素直にそう言っていい環境にいられたから。
必要十分の優秀
最近、仕事をしていて思うのだけれど、どうも世の中には「必要十分の優秀」というものがある。
何につけても、その状況において必要十分な優秀さを備えていればいい、ということだ。日本一できるとか、特別に卓越している必要はない。
どんな人と一緒にいるかによって、必要十分な優秀さは変わる。新人さん相手なら、「こんな初歩的なこと」と思うようなことが、重大な価値を持つこともある。逆に、要求の高いクライアント相手なら、十分な成果を出すためにはしっかり優秀でなければならないだろう。
大事なのは、「誰が見ても完璧にできること」ではなくて、「必要なだけうまくできること」なのだな、と思うようになった。それはつまるところ、「自分が満足する(自分の)優秀さ」から、「他者を満足させられるだけの(自分の)優秀さ」に目が向いたということなのかもしれなかった*15。
お前が泣くまで、褒めるのをやめない
ある時、私が担当したクライアントが、私の仕事をとても褒めてくださったことがあった。私はありがたすぎて驚き、思わず涙が出た。確かに、まあまあ平穏にまとめられたお仕事ではあったと思っていたけれど、クライアントがどのくらい満足されているかは知らなかったのだ。泣くまで褒められてやっと、私の仕事ぶりが相手を十分に満足させた*16というのが、やっと実感できた。
それは本当にありがたいエピソードだ。なのだけれど、泣くまで褒められないと自分の有用さがわからないというのは、社会人としては、ちょっとよくない気がする。自分がやったことがどれくらい相手に"刺さった"かを、適切に測れるようになりたい。相手から直接言及されなくても*17。それは自分の成長にきっと繋がるだろうし、また次のクライアントの役にもよりよく立てる力になると思う*18。
しばらく引っかかっていた種を、やっと書いて外に出せました……! 嬉しい。荒削りだけれど出してしまう、そして明日こそはリングフィットアドベンチャーをやるのだ*19。
平野、ごめんね。
何かあればお気軽にどうぞ。
*1:正確には「第14日目その2」になるが、記事数とカウントを一致させることを優先しています。
*2:現在公演中の江 おん すていじ ~新編 里見八犬伝~にも触れたい。ネタバレなので、一応伏せておく。https://twitter.com/your_re/status/1605205387208437762
*3:私はあまり得意ではない。だからこのくだりをどう書こうかまだ悩んでいる。
*4:さすがに傷ついたが……
*5:他にもたくさん学びを得た職場だったが(寝たきりの人のパジャマをいかに替えるか、とか)、退職してからもしばらくは「人には向いていない仕事がある」というのが最も大きな学びだと思っていた。それは今でもそうかもしれない。
*6:これはまさに先日アドベントカレンダーに書いた、「なんとなく自分にはできると思っている」の実例ではないか。話が繋がってきた。アドベントカレンダーっぽいな。
*7:実際、「なんとなく自分にはできると思っている」新人こそ危険だ。それがわかるようになっただけ私も成長した。
*8:初期刀は加州清光、初鍛刀は秋田藤四郎、続いて愛染国俊。二番目の打刀は陸奥守吉行で、何かというと加州清光と火花を散らすのを、三番目の打刀の鳴狐(のお供の狐)がなだめるような本丸だった。
*9:ゆあれのフォロワー向け情報。
*10:レベリングしていた当時の懐かしい資料を見つけた。今はもうこのエクセルは使っておらず、長いこと更新されていない。載っている子は全員カンストしたか、極になった。
*11:現在は、抜丸、笹貫、七星剣(二振りめ)が連隊戦でレべリングされている。
*12:しかも2023年12月現在、まだ修行に出せてない。いちばん初めに極実装された子の一振りだったのに。ただ、実装同期の厚藤四郎も、うちでは特のままである。
*13:それで仕事が回るのは、それぞれがそれぞれの得意分野を持っていて、特定の人にひどく負担が偏ることがないためだろうと推測される。
*14:もちろん、できるようにならねばならないことは、時間や手間をかけて身につける。
*15:それと。自分で自分に満足するにあたって、数値に頼ろうとすると、いつまで経っても自信を持てないことになる。なぜなら大概の人が(私も含め)、だいたいのことにおいて、日本一みたいな優秀なスコアなんて取れないからだ。
*16:、あるいは、さらに過去のクライアントを満足させてきたかもしれない、
*17:これは労働の話でもそうだし、二次創作でもそうかもしれない。やっぱり、いいねやブクマの数より、言葉でもらえる感想がわかりやすいしありがたくて好きだし、でも、言葉がなくても、どのくらい気に入ってもらえそうか予想して出すとか、そういうことはやりうるのかもしれない。やるかどうかは別として……。
*18:二次創作もそうだ……。
*19:ここ数日アドベントカレンダーやら雑務やらを優先しており、リングフィットアドベンチャーをできていない。おかげで肩と首がガチガチになっている。仕事がつらい。いい加減筋トレがしたい。