歌仙はすごい : 言葉がひらく「座」の世界 (中央公論新社): 2019|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
わりに最近の本だ。
先日、歌仙を巻かせてもらう機会があった。急に「次、お願いします!」リプが飛んでくるというやばい連句だったけれど、とっても楽しかった……!
これはそんな連句をやっている途中に「連句、わからん……」となって借りてきた本の一冊。
歌仙八巻と、それぞれについてのコメントが付いているので、歌仙そのものも読めるし、どう思って付けたのかがわかって面白い。
歌仙を巻くのは、作家の辻原さん、歌人・細胞生物学者の永田さん、俳人の長谷川さんの三名。たまにゲスト。すぐ刑務所に行きがちな作家さんとか、季語を入れるのが大変・あるいは「自分」でない視点で詠むのが難しい歌人さんとか、三者三様の視点が面白かった。
読んでわかったこと:
- 連句は、五七五七七を作るものではなく、毎回「先へ、先へ」と進む(基本的なところなんですけど、よくわかってなくて……)
- 軽いのが続いたら重く、景色が続いたら人事に、高雅なのが続いたら低俗に、体言止めが続いたら用言止めに、など、どんどん切り替えていく
- 連句を巻きまくっている人たちでも、五七五に誤って五七五を巻くこともある
- 酒を飲みながら巻いても大丈夫
- 大変安上がりで、こんなにおもしろい遊びはない、とよく書かれているので、そうか~とだんだんそんな気分になってくる
- 捌き手がいつも長谷川さんで、安定している
お三方とも違う職業をしていて、それでも楽しく巻けるんだから、連句って良い遊びだなあと思う。