雪国 (新潮文庫) | 康成, 川端 |本 | 通販 | Amazon
読んだことなかったんですね、雪国。冒頭だけ覚えているから、冒頭だけ読んでやめたんだと思う。全部読み切って、改めて、今だから読めたんだなあと思いました。数ヶ月前ならやっぱり最後までは読めなかったと思う。
天の川のシーンが、目の前に星が広がって落ちてくるように見えて、美しくて、夢中で読んだ。電車の窓の女の顔と明かりのところも、こんな言葉で表せるのか……と驚く。嫉妬とかではなくて、日本語の可能性というか、目で見えたものをこうして美しくかつ心情を載せて人に伝えることができるんだ、っていう感動と希望、みたいなもの。
駒子さんと島村さんの間に、いつどんな接触があったのかよくわからない。でもそのシーンが描かれてなくてももったいない感じはしないし、すごいなあ。景色の美しさと女の人の美しさ。
読んでいて、まだまだページ数がある、幸せだな、と思っていたのに、思いがけないところで脚注が始まり、本文は終わっていた。スクロールバーに裏切られた気持ちになった……。
火事まで美しい。
脚注に「これは筆者の表現によく出てくる」とか「筆者の生い立ちがどうで」とかしばしば出てくる。本文を読み進めるうちは読まずにおいて吉だった。
伊豆の踊子も読みたいな。今なら読めるかな。