最果タヒ 著
感情について学びたくて関連書を探す中で、おまけ的に手にした一冊。
とてもよかった。感情を言葉にする、情景を言葉にする。自分がやろうとしても、言葉が足りたとは全然思えない。きっと千年前だって、「これで存分に言い表せた」とはなかなか思わなかったろうと思う。ましてや千年も経っていて、いったい私に何を読み解けるだろう?
百人一首を前にしてそう思ってしまうけれど、でも、伝わってくる。伝わったと、感じる。不思議だ。言葉は素敵だ。
現代語訳だけではない、詠む人・読む人の感情を丁寧にほどいてくれる、満足の本でした。