ディラン・エヴァンズ 著
遠藤利彦 訳
恋の話や愛の話をするにあたり、「感情とは……?)という気持ちになって大量に借りた本のうちの一冊。
2005年発売と、内容は古め。
認知科学に重点を置いた本と比べると、多様な分野から見た感情について書いてくれているので、分野の概観にはいいかなと。読みやすいし。
読み終わって、印象に残ったこと。
注意:本に書いてあったこととは関係ありません(記憶違いの有無を、本に戻って確かめていません)。自分用のメモです。
- 感情を、認知科学的に(脳内物質の観点から)追究する/感情自体の分類から追究する/感情に伴う行動により追究する、といった立場がある
- 気分と情動は異なる
- 気分はムードとも呼ばれ、比較的長時間持続する。感じる情動や判断に影響を及ぼす。幸福感、不安感など。
- 情動は短時間に生じ、数秒間持続する。人間に共通する情動は、研究者により様々だが、6〜8ほどあると言われている。喜び、悲痛、怒り、恐れ、驚き、嫌悪はたいがいのリストに含まれる。これを「基本情動」と呼ぶ
- 生得的な基本情動とは別に、文化・社会の中で取得されていく情動があり、「高次認知的情動」と呼ばれる。これには愛、恥、罪悪感、決まり悪さ、誇り、羨み、妬みなどが含まれる
- 基本情動と高次認知的情動は、0か1かではなく、どちらの割合が多いかといった程度問題であるとされる
- 使う言語にある情動を示す言葉がなかったからといって、その情動が生じないということにはならない(別の言語には、あなたの気持ちをピッタリと言い表す言葉があるかもしれない)
他の何冊かの本を同時に読みながら、「感情の解明、道半ばでは?」と思っているところです。