単品と単品

ハンバーガーとチーズバーガーを食べたいときもある

読んだ:ちょー東ゥ京3 月の光ワルツ

野梨原花南

 

試し読み→ 【試し読み】ちょー東ゥ京 3|よめる|集英社Webマガジンコバルト

 

ちょー東ゥ京第3巻月の光ワルツ、読みました!!
感想を噛み締めたくて2回読んだ。

以下実況の感想。ネタバレ嵐。いや、トンチキな叫びだからネタバレが伝わらないかもしれない。読んだ方は「ここかなー」ってお楽しみください。
たぶん時系列。

 

ネタバレ感想

・私も商店街の、一階がお店、二階が住宅になっている建物があったら玄関わかんないと思う。
・こたつのある部屋のくだりから座椅子周りの描写でなんとなく部屋がわかる。祖父母の家を思い出すからかな。お店の奥のスペースって入ったことないと思うけど、これまで実物やテレビで見てきた商店街のことを思い出すと「こんな感じかな」って思える。野梨原先生は「短い言葉で的確に、読み手に記憶を参照させる」のが本当にうまいと思う。
・比翼仕立てのコートってなんだ?(調べた)
・年をとると片付けが進まないっていうの、体力のことかもしれないし、年を重ねて深くなった思い入れが片付けを阻むのかもしれない。私も知らないけど。
・ほくろ二つってほくろじゃなくて噛み痕……?
・「最初からそれを質問すればいいんですよ」、魔法使いの先生っぽいなーと思ってにこにこする。言葉に誠実なところ。人に指導をすることにためらいのない態度。
・佐和さんのお電話好き。ある程度高齢になるとああいうお電話増える気がする。
・魔法使いは基本流浪の民ってお師匠様の影響でしょ!
・「この家には死体がある。」のくだりの改行かっこいいなー巧みだなー!
・「花束は冷たくて重かった。薔薇の香りがして美しかった。」
←こういうところ、こういう、簡明な言葉で、鮮やかに、今ここに薔薇の花束がある気持ちになるところ!
・クジ「なんていうのかな……いやびっくりしますよね」ここクジくんの声が聞こえた

・小型脱水機って何……? 調べた。へえこんなのあるんだ! フェリシモのもある
・自分で作文してて思うけど、衣服や髪や食器や建物の細部を描写するのって知識とセンスと語彙が要るし大変なのよね。そこんとこすごいなと思う。
・「駐車場」を初めて見た人による駐車場の描写が新鮮。
・ホラー全然見ない(怖いので)んだけどこういうのってよくあるの? 怖い……
・カンラン「私が命じます」ギャアア!!! 好きかっこいいもっとやって!!!
・踊るコキさん美しい
・あっあっ流浪の話してくれてありがとう!!! 私も大賢者様の記された魔法書読みたいどこ行けばいいの……
・え? え? つまりカンラン先生はスマートの書いた本読んで「私が命じます」魔法を習得したの……? どれだけ熱心なファンで、努力家で、実際実力があるの……(ドン引き)好き……だって誰か、サリタだっけヴァデラッヅだっけ、「『俺様が命じるぜ』で発動する魔法なんてむちゃくちゃだ」みたいなこと言ってなかった?

・「今度ね。今はクジ君の話だし」って言えるのはとても聡明、つい自分の話を始めちゃう、見習いたい
・「ないな」「でも、クジにあるなら、わかりたいと思うよ」とか「考えごとがしたいんなら俺は帰るけど 、どうする? 帰る? 俺と今を楽しむ?」とかこういうことを友人に言える友人でありたい……

スマホに読み上げさせて言葉を調べる、そんな方法があるのか!! 賢いな!!
・すれ違う時会釈してくれるのあまりにも上品
・うーーーんこんだけ素敵に室内を描写したいもんだ! 行って素敵だなと思った場所のことよく見とこう
・しばしば自分が作文していると「脱がせた靴を脱がせたっ放しにする」とかやりがちなんだよね、ちゃんと忘れず回収させないとね
・そうね、6時半から動けたら色々うまく行きそうな気がする、わかる

・「あんたは、今、本当にあんたらしくないよ」と言ってくれるのは本当に友人、本当の友人
・カンラン先生はサリタ・タロットワークが魔王になったことについて考えているんだろうか。カンラン先生も、それをなかったことにしたいと思っているんだろうか。
・グーナー!!!!、!!!

・「先生、恩に着る!」「ほんとですよ」すき
・カンランが胸を張って 、胸に指を立てて言う。「承りました! どなたに何をお伝えすればよろしいですか!?」
ここ動画で見えたー!
・きぎんとうって何だ……? あーこれ前の巻の……?
・「魔王を探す」ああー!!!!!!!!!!!! アーー!ーー!!!!!!!!!!!!! おおおああああ!!!!!!!!!!!!!!
・そっか! いるのか! ここにも!
・どんなんだろう? 何枚羽? サルド出る? スマートは!? 出てもでなくてもいいな、どっちでも絶対にわくわくするから……


小説全般について

小説って、読むとみっちり丸く完成しているように思える。でも、たぶん、小説そのものが丸く完成しているわけではない。小説に書いてあるのは半円か、四分の一くらい。それが丸に見えるとしたら、残りは読み手が勝手に立ち上がらせている像なんだよね。

白い線を始めから終わりまで引くのではなくて、「ここの角取ったらここ一列白になるな」みたいな角に白い石を置いてあるような。

小説はただ装置で、読者それぞれが知る世界が、小説という装置を通じて何かの像を結ぶ。読み手が小説「だけ」を体験できるのは、せいぜい文字が文字として目に映る瞬間だけ。体験として残るのは小説そのものではなく、小説と自分が呼応して結ばれる像の方なんだと思う。

今度は意識して、半円の話を書いてみたい。