池谷聡 著
- 社員研修などを請け負う会社の方が、ゆとり社員の教育担当になった企業の人向けに書いている
- 私はゆとりの側で、読んでいて「めっちゃわかるそれ私や」ってなる
- ゆとりがなぜゆとりなのか、家庭環境(少子化→「欲しいものは与えられる」と思っている)、学校教育(自主性を重んじられ「〜しなさい」ではなく「〜しましょう」と言われてきた/体罰などの減少→厳しく命令されたり叱責されたりすることに慣れていない)、社会環境(ずっと不況、身近な人がリストラされるなどの経験あり→将来への不安と備えなければという焦りがある)、情報・通信(携帯電話の普及、メール文化→直接顔を合わせたり電話でのコミュニケーションが苦手)とかから解説
- ついでに指導役の育った環境にも触れられている
- ゆとり〜わかる〜と思ったこと↓
- 「正解」があると思っており、「正しい答え」を教えてくれるように望む(そんなものはしばしばない)
- 電話よりメールで用事を済ませようとする
- 怒られることに慣れていない
- 目の前の仕事に何の意味があるのか、自分の成長に繋がるのか、疑問に思う
- 意味がないなと思うとやらない
- 飲み会に来たがらない
- 話している間のリアクションが薄く、わかったのかわからないのかわからない
- 言われていないことはやらず、指摘されるといじける
- 文脈を忘れたけど、「人は皆違う」ということを忘れている*1
- なお、「根は素直」「パソコンの扱いや調べ物が上手」「意義がわかると熱心に取り組む」などの「実は優秀だよ」アピールもある
- 全体に、上の世代の方は苦労されていらっしゃるのだな……と伝わってくる内容だった(研修会社さんの本なので、研修担当者は苦労されていないといけないわけなんだけど)
- 教育のせいだけではないんだけど、教育で人材が変わるのであれば、「こういう人材が世に放たれますよ!」ってちゃんと説明して欲しい(ゆとりなので他人任せ)
- 「将来が不安だ、成長しなくちゃ、とにかく意味のあることに集中しなくちゃ」という焦りは確かにあるように思う、それを旧来のやり方を着実にやっていこうねと言われてもあんまり解決しないというか、もうちょっと考えさせて欲しいなあという感じ
- だから正解はないんだって!
*1:これは根深いなと思った。というのも、「人は皆違う」と思っているからこそ、「他人を自分が察することはできない」と思い、言われなければわからないことになっているかもしれないから。