立花隆 著(2013)
立花隆の書棚 (中央公論新社): 2013|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
立花隆先生が亡くなったと聞いて、本を読んだ。
友人が立花ゼミに所属していた。私は立花先生のことはよく知らなかったけれど、そのゼミは楽しそうだったし、立花先生もかなり楽しそうな人らしい、と感じていた。
『二十歳の君へ』を編集した立花ゼミ生の友人から聞いた話か、この本に書いてあったことか忘れてしまったけれど、本のフォントや紙選びから夜遅くまで議論が白熱して、という話がとても印象的だった。本を作るって、思うよりも、やることがたくさんあるんだな。自由で、楽しくて、意志が要るんだな。そんなふうに思ったように思う。*1
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立花先生に向けて元ゼミ生から送られたお別れのメッセージを拝見していて、印象に残ったこと。
「知らない」自分は、「知ろうとしない」自分の積み重ねの結果として、ここにあるということ。一つ一つの知識のこと以上に、「知ろうとしない」自分でいたことを恥じなさい。…先生はそう言いたかったのではないか、と勝手に思う。
(徳田 周子 東京大学 第二期立花隆ゼミ)
tachibana.rip
「知らない」ことばっかりで、そんな自分にいじけていたところがあったように、私は思う。それは「与えてもらえなかったから」ではなくて、「私が知ろうとしなかったから」、ということ。つまり、知ろうとすれば埋められたかもしれない、ということ。
厳しいけれど、それは希望だと思う。私次第だ、ということ。
さて、『立花隆の書棚』。
辞書みたいに分厚い。隅から隅まで読めたわけじゃない。けれど、印象に残ったことはいくつか。
「この世にはたくさん本があるのだから、読まなくていい本に時間をかけるほどばかなことはない、読む価値のある本を読む」というようなこと。
そして、すごい量の本の写真から、「いくら読んでもいいんだ、何を読んでもいいんだ」という、自由のようなもの。知りたいと思う気持ちを大切に、知る行動を取ること。
「職業としての政治」は読んでみたいなあと思った。